使い終えたポータブル電源はメーカー回収を先に見る|JackeryとAnker

玄関先に置いた段ボール箱と、梱包を待つポータブル電源

容量1,000Wh前後のポータブル電源は、重さが10kgを超える。Jackery ポータブル電源 1000 Newは約10.8kg、Anker Solix C1000 Gen 2は約11.3kgだ。壊れたり買い替えたりしたとき、この大きなリチウムイオン電池の塊をどこへ出すかで迷う人は多い。調べてみると、メーカーの回収の仕組みはJackeryとAnkerで大きく違い、自治体の受け入れ方も市町村ごとに違っていた。

Jackery ポータブル電源 1000 Newは、容量1,070Wh、定格出力1,500Wのポータブル電源だ。Jackeryは日本国内で販売した自社のポータブル電源本体を無料で回収しており、使い終えた後の行き先が最初から決まっている。カードのリンク先で容量と重さを確かめ、手放すときに自分で箱詰めして送れる大きさかも見ておきたい。

JackeryとAnkerで回収の条件が違う

2台のポータブル電源を並べ、それぞれの回収の流れを確かめている机の上
メーカーによって回収の入口が違う

2026年10月22日に両社の日本公式ページで確認した回収の条件は、次のとおりだ。

項目 Jackery Anker
対象 日本国内で販売されたJackeryのポータブル電源本体 Ankerのポータブル電源(保証切れ、故障・破損、中古購入品も対象)
回収の条件 回収だけで申し込める ポータブル電源の下取り(買い替え)に伴う回収
費用 無料。送料は利用者が負担 下取り後、Anker公式サイトで使えるクーポンを発行
送り方 段ボール箱に梱包し、運送会社へ持ち込むか集荷を頼んで元払いで送る カスタマーサポートへ「ポータブル電源下取りの件」と連絡し、案内された方法で回収
対象外・注意 ソーラーパネルとアクセサリー類は対象外(セット購入のパネルも対象外)。着払いは受け取らない 事前の問い合わせがない送付や持ち込みは受け取らない。廃棄だけなら自治体のルールに従う

Jackeryは買い替えなくても無料で引き取ってもらえるのが大きい。負担は10kgを超える箱の送料と、段ボール箱を自分で用意する手間だ。Ankerは、Ankerのポータブル電源へ買い替える人には回収とクーポンがそろうが、廃棄だけを望む場合は自治体へ出すよう案内している。同じ1,000Wh級でも、使い終えた後の手間はメーカーで変わる。

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Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station
Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station
リサーチ日時:2026-10-22

Anker Solix C1000 Gen 2は、容量1,024Wh、定格出力1,550Wのポータブル電源で、リン酸鉄リチウムイオン電池を使い、Ankerは4,000回以上の充放電サイクルを公表している。長く使える設計だからこそ、何年か後に手放すときは、下取りを使ってAnkerの次のポータブル電源へ買い替えるのか、自治体へ出すのかを決めることになる。

ポイント ソーラーパネルは別に考える

Jackeryの回収は、ポータブル電源とセットで買ったソーラーパネルも対象外だ。パネルを一緒に手放したい人は、パネルの処分方法を自治体で別に確かめておく。

自治体に出すなら、まず窓口へ問い合わせる

市役所の窓口で、絶縁テープを貼ったポータブル電源を職員に手渡す様子
拠点回収は窓口での手渡しが多い

環境省は2025年4月、ごみ収集車や処理施設の火災が続いていることから、リチウムイオン電池を含む「リチウム蓄電池等」を分別収集の区分の一つとし、膨張や破損したものも含めて家庭から出るすべてを分別回収するよう市町村に求めた。ITmedia NEWSによると、2023年度にリチウムイオン電池による火災事故は8,543件あり、分別回収をしている市町村は全体の約75%だった。この通知に強制力はなく、ポータブル電源を受け入れるかどうかは今も自治体ごとに違う。

受け入れている例として、函館市の「小型充電式電池の出し方ガイド」がある。函館市は、モバイルバッテリーやポータブル電源を「小型充電式電池等回収拠点」で窓口での手渡しで回収し、膨張・破損したものも受け付けている。持ち込む前には、できるだけ放電して使い切り、端子部をセロハンテープなどで絶縁するよう求めている。

注意 ごみ集積所や家電の回収ボックスには出さない

函館市でも、電池を内蔵した小型家電を入れる「小型家電回収拠点」の回収ボックスと、ポータブル電源を手渡しする窓口は別になっている。米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、発火のおそれがあるポータブル電源を家庭ごみ、資源ごみ、販売店の電池回収箱に入れないよう注意し、持ち込む前に回収施設へ受け入れを確かめるよう案内している。自分の市町村の分別表にポータブル電源の記載がなければ、清掃担当の窓口へ電話で確かめてから持ち込む。

送る前・持ち込む前の準備

米国環境保護庁(EPA)は、使い終えた電池でもけがや火災を起こすだけのエネルギーが残っている場合があるとして、端子を絶縁テープで覆うよう勧めている。電池が傷んでいる場合は、電池や機器のメーカーに扱い方を問い合わせるよう案内している。日本でメーカーへ送る場合も、自治体へ持ち込む場合も、準備はほぼ同じだ。

  1. 回収先を決めて、必要なら先に連絡する。 Ankerは事前の問い合わせがない送付を受け取らない。自治体は受け入れの有無と持ち込み先を確かめる。

    回収先へ電話で受け入れ条件を問い合わせる人とポータブル電源

  2. できるだけ使い切る。 函館市はできるだけ放電して使い切るよう求めている。照明や扇風機など、普段の家電で残量を減らしておく。

    ポータブル電源につないだ照明を使って残量を減らす様子

  3. 端子を絶縁する。 USB端子、DC出力、ACコンセント、入力端子を、絶縁テープやセロハンテープでふさぐ。

    ポータブル電源の端子を絶縁テープで覆う手元

  4. 付属品を分ける。 Jackeryの回収はポータブル電源本体だけが対象だ。ケーブルやソーラーパネルは別に処分方法を確かめる。

    ポータブル電源本体からケーブルとソーラーパネルを分けた状態

  5. 梱包して元払いで送る。 Jackeryは段ボール箱を自分で用意し、元払いで送る。着払いでは受け取ってもらえない。

    梱包用の箱と緩衝材を用意して端子を保護する手元

注意 膨らんだ・熱い・焦げ臭い電源は送らずに相談する

本体が膨らんでいる、触ると熱い、焦げたようなにおいがする場合は、普段どおりに梱包して送らない。EPAは傷んだ電池についてメーカーへ問い合わせるよう案内している。まずメーカーのサポートへ状態を伝え、指示を受けてから動く。屋内で使わず、燃えやすい物から離した場所に置いておく。

買う前に、手放し方も比べておく

家電量販店でポータブル電源の箱を見比べながら、スマートフォンで回収の案内を確認する人
買う前に回収の案内を見ておく

ポータブル電源は、容量や出力、充電の速さで比べられることが多い。ただ、1,000Wh級を何年も使えば、最後は10kgを超える電池をどう手放すかという問題が必ず残る。回収の案内をメーカーが公開しているかは、保証期間と同じように、買う前に見ておける比べどころだ。

  • 買い替えずに手放す可能性が高い人は、回収だけで申し込めるメーカーのほうが手間が少ない。Jackeryは送料だけで引き取ってもらえる。
  • 同じメーカーで買い替えていくつもりの人は、Ankerの下取りのように、回収と次の購入の割引がセットになった仕組みも使える。
  • どちらでも、正規の販売店で買い、型番と購入先が分かる状態を残しておくと、回収や問い合わせのときに説明しやすい。
補足 リン酸鉄の電池でも扱いは同じ

Jackery ポータブル電源 1000 NewもAnker Solix C1000 Gen 2も、寿命が長いとされるリン酸鉄リチウムイオン電池を使っている。寿命が長くても、捨てるときにリチウムイオン電池として扱う点は変わらない。

停電への備えとして容量や使い方から選びたい人は、停電用ポータブル電源の記事で選び方を整理している。どのメーカーを選んでも、回収の窓口と自分の市町村の分別表を一度確かめておけば、使い終えた日に慌てずに済む。

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参考文献

8件
  1. Jackery Japan「ポータブル電源無償回収・リサイクルサービス」:公式ページ(参照日・確認日:2026-10-22)
  2. Jackery Japan「Jackery ポータブル電源 1000 New」:公式製品ページ(参照日・確認日:2026-10-22)
  3. Anker Japan「Anker モバイルバッテリー/ポータブル電源回収サービス」:公式ページ(参照日・確認日:2026-10-22)
  4. Anker Japan「Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station」:公式製品ページ(参照日・確認日:2026-10-22)
  5. 函館市「小型充電式電池の出し方ガイド」:PDF(参照日・確認日:2026-10-22)
  6. ITmedia NEWS「すべてのリチウムイオン電池の回収を市町村で 環境省『一般廃棄物として自治体が回収するのが“あるべき姿”』」:記事(2025-04-15、参照日・確認日:2026-10-22)
  7. U.S. Environmental Protection Agency「Used Lithium-Ion Batteries」:米国環境保護庁の案内(最終更新:2026-03-20、参照日・確認日:2026-10-22)
  8. U.S. Consumer Product Safety Commission「CPSC Warns Consumers to Immediately Stop Using Aeiusny Power Stations Due to Risk of Serious Injury or Death from Fire」:米国消費者製品安全委員会の警告(2025-09-04、参照日・確認日:2026-10-22)
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