充電器はひし形、モバイルバッテリーは丸形|ネット通販で買う前に見るPSEマーク

充電器とモバイルバッテリーの本体表示を拡大鏡で確認するイラスト

同じPSEマークでも、USB充電器(ACアダプター)に付くのはひし形、モバイルバッテリーに付くのは丸形だ。形が違うのは、電気用品安全法が製品の危険の大きさで区分を分け、検査の仕組みを変えているからである。ひし形の製品は、販売までに国に登録された検査機関の検査を受けなければならない。

ネット通販では、商品ページの写真だけでは表示が見えないことも多い。マークの形と、その近くに書かれた事業者名や定格を、届いた本体で確かめる。日本法人が公式サイトで仕様や製品回収情報を公開しているAnker Prime Charger (100W)のような充電器なら、問い合わせ先もはっきりしている。

ひし形と丸形の検査の仕組み

USB充電器とモバイルバッテリーに対応するひし形と丸形を並べた模式図
充電器はひし形、モバイルバッテリーは丸形。図形は区分を示す模式図で、実際のPSE表示とは異なる

経済産業省によると、電気用品安全法の対象となる「電気用品」は457品目ある。そのうち、構造や使い方から特に危険や障害が起きるおそれが多い116品目が「特定電気用品」で、残る341品目が「特定電気用品以外の電気用品」だ。

区分 品目数 主な例(経済産業省の資料から) 販売までに必要なこと
特定電気用品(ひし形) 116 コンセント、差込みプラグ、延長コードセット、直流電源装置(ACアダプター)、電熱式おもちゃ、携帯発電機 事業の届出、技術基準への適合と自主検査に加え、登録検査機関の適合性検査を受けて証明書の交付を受ける
特定電気用品以外(丸形) 341 電気冷蔵庫、エアコン、電気洗濯機、扇風機、電気掃除機、テレビ、LEDランプ、リチウムイオン蓄電池(モバイルバッテリー) 事業の届出、技術基準への適合と自主検査

ひし形のPSEマークが付いた製品には、マークに加えて登録検査機関のマーク、製造事業者などの名称、定格電圧、定格消費電力などが表示される。丸形の製品には、登録検査機関のマークはないが、事業者の名称や定格は同じように表示される。

補足

USB充電器とモバイルバッテリーが一体になった製品は、両方の区分に当たる。経済産業省のFAQは、「直流電源装置」としてひし形のPSEマークに加え、「リチウムイオン蓄電池」として丸形のPSEマークも表示する必要があるとしている。コンセントに直接差せるモバイルバッテリーなら、2つのマークが付いているかを見る。

マークの近くにある事業者名と定格

モバイルバッテリー裏面の表示位置を指で確かめるイラスト
本体の表示欄でマークと事業者名、定格を確かめる。表示内容は模式的に描いている

PSEマークは、届け出た事業者が技術基準への適合や検査の義務を果たしたときに付けられる表示だ。それ以外の場合、誰であってもPSEマークやまぎらわしい表示を付けてはならない。だから見るべきなのはマークだけでなく、マークを付けた事業者の名前である。

モバイルバッテリーについて、経済産業省のFAQは、丸形のPSEマークと届出事業者名(原則としてマークの近く)に加え、製造業者やモデルの識別、定格電圧や定格電流などの表示が必要だとしている。PSEマークはモバイルバッテリーの外側に付けることになっており、パッケージへの表示で本体の表示に代えられるのは、バッテリーが小さくて表示が難しい場合に限られる。

モバイルバッテリーの外装にある表示欄を示すイラスト
PSEマークは本体の外側で確認する。表示内容は模式図

モバイルバッテリーが電気用品安全法の規制対象になったのは2018年2月で、経過措置が終わった2019年2月からは、PSEマークの表示がない製品は販売できなくなった。対象は、内蔵する単電池1個あたりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上のものだ。

ポイント

届いたらまず本体の表示を確かめる。マークの形、事業者名、定格電圧・定格電流の3つがそろっているかを見れば、表示のない製品や名前の分からない製品を使い始める前に気づける。

表示のない製品を売ったら罰則

通販の商品画像をスマートフォンで拡大して充電器の外観を確かめるイラスト
通販では外観だけでなく、本体の表示欄が写った画像も探す

電気用品の製造、輸入、販売を事業として行う人は、PSEマークなどの表示がない電気用品を販売したり、販売のために陳列したりしてはならない。経済産業省のインターネット販売事業者向けの資料は、PSEマークと届出事業者名の表示がない製品を販売・陳列した場合や、手続きを経ずにPSEマークやまぎらわしい表示を付けた場合、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方の対象になると説明している(2023年11月の資料の表記)。

同じ資料は、ネットで販売する事業者に対して、表示を確かめたうえで販売ページへ表示の画像や説明を載せることを強く勧めている。商品ページに本体の表示が写った画像があるかどうかは、買う側にとっても見分ける手がかりになる。

2025年12月施行の海外販売者ルール

届いた小包の横で充電器の本体表示を確認するイラスト
海外から届いた充電器も本体表示と国内の連絡先を確かめる

これまで問題になってきたのは、海外の事業者がオンラインモールなどを通じて、日本の輸入事業者を通さずに消費者へ直接売る製品だ。経済産業省の資料によると、電気用品安全法を含む製品安全4法の改正が2025年12月25日に施行され、次の仕組みができた。

  1. 国内の消費者へ直接販売する海外事業者を規制の対象にし、日本国内の責任者である「国内管理人」の選任を求める。
  2. 危険な製品について、出品者がリコールなどの措置をとることが期待できないとき、国がオンラインモールなどの運営者に出品の削除を要請できる。
  3. 届出事業者の氏名や製品の型式の区分、国内管理人の氏名などを公表する。

海外の販売者から買う場合も、日本の法律の上で責任を負う人がはっきりするようになった。ただ、制度ができても、手元に届いた製品の表示を確かめる手間がなくなるわけではない。

注意

PSEマークは、法律の手続きを経た事業者が付ける表示であって、充電の速さや製品の寿命を保証するものではない。本体が異常に熱くなる、膨らむ、焦げたにおいがするといった異常があれば、マークの有無にかかわらず使うのをやめる。

英国の試験が示すネット通販の充電器

充電器の内部基板や測定器を並べた安全性検査のイメージイラスト
充電器の安全性検査を表すイメージ。Which?の試験現場や試験品そのものではない

海外でも、ネット通販の充電器は問題になっている。英国の消費者団体Which?は2026年6月、Amazon(Amazon Haulを含む)、AliExpress、eBay、Temu、Sheinなど7つのオンラインマーケットで買ったUSB充電器15個を試験した。9個に感電のおそれがあり、そのうち8個は火災や破裂のおそれもあった。安全試験に通った4個も英国の輸入事業者の表示がなく、15個すべてで製品や箱、説明書に必要な表示が欠けていた。

Which?は、よく知られたブランドの充電器は試験に通ったとし、表示と輸入事業者の情報を確かめ、極端に安い有名ブランド品は偽物の可能性を疑うよう勧めている。欧州消費者機構(BEUC)も2025年2月、加盟する消費者団体の試験で、Temuで売られていた製品の中に非常に危険な電気ヒーターなどがあったと公表した。

日本のPSEマークは、英国でいえば安全表示と輸入事業者の表示を合わせた役割に近い。表示がない、または事業者名が読めない充電器は、安くても選ばないのが確実だ。

買う前と届いた日の確認順

箱から取り出した充電器を接続前に手に取り本体表示を確認するイラスト
使い始める前に本体の表示を確認する

ネット通販で充電器やモバイルバッテリーを買うときは、次の順で確かめる。

段階 確かめること
買う前 販売ページに本体の表示(PSEマーク、事業者名、定格)が写った画像や説明があるか。販売元とメーカーの日本の連絡先が分かるか
届いた日 本体にマークの形(充電器はひし形、モバイルバッテリーは丸形)、事業者名、定格電圧・定格電流などがあるか
使い始めてから 異常な発熱やにおい、膨らみがないか。メーカーの製品回収情報に自分の型番がないか

充電器は毎日コンセントに差したまま使うことも多い。数百円の差で選ぶより、表示と問い合わせ先がはっきりした製品を選んでおくと、あとで回収や故障が起きたときにも連絡先に迷わない。

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参考文献

8件
  1. 経済産業省|電気用品安全法の概要(参照日・確認日: 2026-10-22)
  2. 経済産業省|モバイルバッテリーに関するFAQ(参照日・確認日: 2026-10-22)
  3. 経済産業省|電気用品安全法の概要と販売事業者の留意点について(2023年11月1日、PDF)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  4. 経済産業省|製品安全4法の改正の概要(PDF)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  5. METI Journal|モバイルバッテリーの規制対象化と注意点(参照日・確認日: 2026-10-22)
  6. Anker Japan|Anker Prime Charger (100W, 3 Ports, GaN)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  7. Which?|Phone chargers sold on Amazon Haul, B&Q and eBay can electrocute and explode(2026年6月11日)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  8. BEUC|Gaping holes in safety of products sold on Temu(2025年2月3日)(参照日・確認日: 2026-10-22)
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