電源タップは合計1500Wまで|年末の大掃除で見るプラグのほこりとたこ足配線

テレビ台の裏で、電源タップに差したプラグのまわりにたまったほこりを確かめている手元

NITE(製品評価技術基盤機構)に通知された事故情報では、テーブルタップや延長コードによる火災事故が2019年から2023年の5年間に126件あり、2023年の件数は2019年の約2倍になった。NITEは、テレワークの広がりで配線器具を使う場面が増えたことが関係しているとみている。

紹介された事例の一つは、製造から約23年たったテーブルタップに家電を差したまま放置し、差し込み口にたまったほこりからトラッキング現象が起きて焼けたものだ。電源タップは、壊れるまで使い続けるものではない。年末の大掃除は、家具の裏に隠れたタップを引き出して確かめるよい機会になる。

Tapo P110Mは、つないだ家電の消費電力をアプリで見られるスマートプラグだ。カードのリンク先では、最大1500W(15A)という定格と、設定した電力を超えたら電源を切る過負荷保護の機能を確かめられる。タップに家電を足す前に、今つないでいる家電が何Wを使っているかを測る道具として役に立つ。

二口コンセントは合計1500Wまで

未接続の壁の二口コンセントと、電気ケトルと電子レンジのそばに置いたプラグ
壁の二口コンセントは、二口の合計で1500Wまで使える

家庭の電圧は通常100Vなので、NITEは100Wでおよそ1A、1000Wでおよそ10Aと考えられると説明している。一般住宅の壁にある二口コンセントは、二口の合計で1500Wまでが接続できる上限だ。片方に1000Wの家電を差したら、もう片方は500Wまでしか使えない。

テーブルタップやコードリールにも、本体やパッケージに「接続可能な最大消費電力」か「定格電流」が書かれている。タップの差し込み口がいくつあっても、使える電力の合計はタップの表示までで、壁のコンセントの1500Wも超えられない。差し込み口の数は、使ってよい家電の数ではない。

家電の組み合わせの例 計算 判断
1000Wの家電+500Wの家電 1000+500=1500W 二口コンセントの上限ちょうど
1000Wの家電+600Wの家電 1000+600=1600W 上限を超える
消費電力の小さい家電を数台 合計を足して確かめる タップと壁の表示の小さいほうまで

NITEは、配線にある程度以上の電気が流れたときの安全装置としてブレーカーがあるものの、作動するまでに時間がかかる場合があると注意している。ブレーカーが落ちないことは、安全に使えている証拠にはならない。

ポイント

家電の消費電力は、本体の銘板や取扱説明書の仕様欄に書かれている。電気ケトル、電子レンジ、ドライヤー、電気ストーブのように熱を出す家電は、1台で1000Wを超えるものが多い。熱を出す家電どうしを同じタップや同じコンセントに集めないことが、合計を超えない近道になる。

電源プラグを抜いた家電の底面の銘板を指で確認し、そばに電卓を置いている様子
消費電力は家電の銘板や取扱説明書で確認する

コードリールは巻いたままだと上限が下がる

プラグを抜き、差し込み口を空にした巻き取り状態のコードリール
コードリールは、巻いた状態と引き出した状態で使える電力が違うことがある

NITEが紹介した事例には、ほとんど巻き取ったままのコードリールに、布団乾燥機2台と電気除湿機2台をつないで使い、コードが異常発熱して建物が半焼したものがある。コードリールは、コードを全部引き出したときと巻いたときで使える電力が違うものや、全部引き出した状態でしか使えないものがある。巻いたままのコードは熱がこもりやすい。

年末の大掃除や庭仕事でコードリールを使うときは、本体の表示で「巻いたとき」の数字を確かめ、使う前にコードを最後まで引き出しておく。

補足 英国の延長コードは13A、それでも「つなぎ足さない」

英国の電気安全団体Electrical Safety Firstは、英国の延長コードの多くは13A定格だが、古いものやコードリールは10A以下のこともあると説明している。そのうえで、延長コードに別の延長コードをつなぐと壁のコンセントのプラグが過熱するおそれがあるとして、つなぎ足しをやめるよう求めている。電圧も定格も違う日本でも、タップにタップを重ねると合計の電力は最初の壁のコンセント1か所に集まる点は同じだ。

トラッキング現象はほこりと水分から

電源を抜いた電源タップで、差し込まれたプラグの根元にほこりがたまっている様子
差しっぱなしのプラグのすき間には、ほこりがたまりやすい

トラッキング現象は、コンセントと電源プラグのすき間にたまったほこりが湿気を吸い、プラグの刃のあいだに小さな電流が流れて火花が繰り返される現象だ。NITEの説明では、絶縁の役割をしている樹脂が少しずつ炭化して電気の通り道ができ、異常発熱から発火に至る。2016年から2021年の配線器具の発火事故250件でも、原因として多いのは家庭内のほこりや水分の付着によるトラッキング現象だった。

ほこりがたまりやすいのは、テレビ台や冷蔵庫の裏、ベッドの下のように、プラグを差したまま何年も動かさない場所だ。観賞魚の水槽や加湿器の近くのように、水気がある場所は特に注意がいる。

注意

掃除のときは、必ずプラグをコンセントや電源タップから抜いて、から拭きでほこりを取る。NITEは、差し込み口にアルコールスプレーなどの洗浄液が直接かかると、ショートやトラッキング現象が起きるおそれがあるとしている。洗剤を吹き付けた布で拭くのも避ける。

大掃除で確かめる5つのこと

家具の裏から出した電源タップからプラグを抜き、乾いた布で拭いている手元
年に一度は家具の裏のタップを引き出し、ほこりと傷みを確かめる

NITEが挙げる配線器具の事故を防ぐポイントと、海外の案内を合わせると、大掃除で見るところは次の5つになる。

  1. プラグとタップの差し込み口のほこりを、プラグを抜いてから拭き取る。 差し直すときは、すき間ができないよう奥までしっかり差し込む。
  2. プラグの刃が曲がっていないか、焦げた跡がないかを見る。 刃が変形していたら使うのをやめ、メーカーや販売店に相談する。
  3. コードが家具の脚の下敷きになっていないか、強く折れていないかを見る。 米国のCPSCは、敷物の下にコードを通すと熱が逃げないと注意している。
  4. タップにタップをつないでいないかを見る。
  5. 冷蔵庫や電子レンジのような大型家電が、タップ経由になっていないかを見る。 カナダのブリティッシュコロンビア州政府は、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、コンロ、エアコン、電子レンジは壁のコンセントに直接差すよう求め、延長コードは一時的に使うものとしている。

Electrical Safety Firstは、焦げ跡や、ジジッという放電の音、家電が触れないほど熱くなることを、異常のサインとして挙げている。どれかに気づいたら、そのタップはすぐにコンセントから抜く。

ポイント

NITEは、コンセント側でトラッキング現象を検知して電気を止める製品や、差し込み口にシャッターが付いて水分が入りにくい製品、異常発熱や使いすぎを検知して電気を止める製品もあると紹介している。古いタップを買い替えるときの選択肢になる。

スマートプラグで家電のワット数を測る

壁コンセント、スマートプラグ、テレビの接続順とスマートフォンへの電力表示を示す概念図
スマートプラグで家電1台の消費電力を確認する仕組みの概念図

銘板の消費電力は最大値で、実際に使っている電力は動かし方で変わる。Tapo P110Mを家電とコンセントのあいだにはさむと、つないだ家電のリアルタイムの消費電力をアプリのグラフで見られ、過去7日間の使用量も確かめられる。テレビ台のタップにつないだ機器を1台ずつ測っていけば、タップ全体でどのくらい使っているかの見当がつく。

Tapo P110Mには、設定した上限を超える電力を使ったときに電源を切る過負荷保護もある。TP-Linkは例として「750Wを超えたら電源オフ」という設定を挙げている。ただし、Tapo P110M自体の上限も1500Wで、つなげる家電の数を増やす道具ではない。

注意

スマートプラグを電源タップの差し込み口に差し、その先にさらにタップをつなぐ使い方は、つなぎ足しと同じことになる。電気ストーブのような暖房器具は、スマートプラグやタップを経由せず、壁のコンセントに直接差して使う。

電源タップの点検は、年に一度の大掃除に組み込んでしまうのがいちばん続く。家具の裏のタップを引き出し、ほこりを拭き、つないでいる家電の合計を確かめる。そのときに迷った1台だけをスマートプラグで測れば、足してよいかどうかを数字で決められる。

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参考文献

6件
  1. NITE|PSマガジン Vol.446 配線器具の事故(2024年2月13日)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  2. NITE|減少傾向から一転、2年連続事故増加 ~配線器具の火災に注意!!~(2022年2月24日)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  3. TP-Link|Tapo P110M(参照日・確認日: 2026-10-22)
  4. U.S. Consumer Product Safety Commission|Limit Extension Cords To Reduce Risk Of Fire(1990年5月1日)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  5. Electrical Safety First|Overloading Sockets(参照日・確認日: 2026-10-22)
  6. Province of British Columbia|Electrical fire safety toolkit(参照日・確認日: 2026-10-22)
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