食洗機に台所用洗剤を入れてはいけないことは知られているが、泡は下洗いで食器に残った台所用洗剤からも立つ。パナソニックのNP-TSP1の取扱説明書は、つけ置きなどで台所用洗剤が付いた食器はしっかりすすいでから入れるよう書き、シロカのSS-MA251の説明書は「少量でも付着していると故障の原因になります」と注意している。
洗剤の種類と量も、機種の説明書に数字がある。NP-TSP1は通常の汚れで粉末か液体なら約5g、タブレットなら1個、SS-MA251は粉末か液体なら約4gが目安だ。
NP-TSP1はタンクに水を入れて使う卓上の食洗機で、説明書で使える洗剤として食洗機専用の液体・粉末・タブレットの3種類を挙げている。タブレットを使える機種かどうかはメーカーによって扱いが分かれるので、カードのリンク先で型番と付属品を確かめる前に、手持ちの洗剤の形も見ておきたい。
台所用洗剤が入るとどうなる?

台所用の手洗い洗剤は、スポンジで泡立てて汚れを包むように作られている。食洗機はノズルから湯を強く吹き付けて洗うので、そこに台所用洗剤が入ると泡が庫内にあふれ、水漏れや故障の原因になる。パナソニックとシロカは、どちらも台所用洗剤を「使えない洗剤」とし、重曹も使えないものに入れている。パナソニックは、重曹が水に溶けにくく、溶け残って固まると動作不良になる場合があると説明している。
泡が問題になるのは、洗剤入れに台所用洗剤を入れたときだけではない。米国の家電メーカーWhirlpoolは、食洗機の泡の原因として、つけ置きやスプレー式の台所用洗剤が食器に残っていることも挙げている。SS-MA251の説明書も、泡が立ちすぎるときの確認点に「事前に手洗いしたときの洗剤が残っていませんか」と書いている。下洗いをする家ほど、すすぎの甘さが泡につながる。
NP-TSP1は、給水タンクに洗剤を入れると故障の原因になる。洗剤は必ず扉の内側の専用洗剤入れに入れ、タンクには水道水だけを入れる。説明書は、ミネラルウォーター、アルカリイオン水、井戸水、40℃以上のお湯もタンクに入れないよう求めている。
泡が出てしまったときの戻し方
NP-TSP1の説明書には、台所用洗剤を入れてしまった場合の手順が載っている。
- 庫内の食器、下かご、残さいフィルター、排水口カバーを取り出し、庫内の泡を取り除く。
- 食器と取り出した部品を、流しで洗い流す。
- 部品を戻し、タンクに水道水を入れて、汚れレベル「L2」で洗剤を入れずに運転する。
- 運転後にまだ泡が残っていれば、もう一度同じ手順を繰り返す。
タンクに台所用洗剤を入れてしまった場合は、タンクの水を排水する操作を先に行う。SS-MA251では、運転中に洗浄コースを変更して庫内の水を排水し、泡がなくなるまで繰り返す手順になっている。
Whirlpoolは、泡があふれたときに庫内の底へ食用油を約4分の1カップ入れ、洗剤なしで短いコースを回して泡を抑える方法を案内している。日本の2機種の説明書にはこの方法がなく、NP-TSP1とSS-MA251は水だけの運転や排水を繰り返す手順を示している。自分の食洗機の説明書の手順に従うのが確実だ。
粉末・ジェル・タブレットの違い

食洗機専用洗剤には、粉末、液体(ジェル)、タブレットの3つの形がある。パナソニックの暮らしの情報サイトは、それぞれの特徴を次のように整理している。
| 形 | よい点 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 粉末 | 大容量のものが多く、1回あたりのコストを抑えやすい。量を加減しやすい | 毎回計る手間がある。溶け残りが出ることがある |
| 液体(ジェル) | 水に溶けやすく、低温のコースでも溶けやすい | 入れすぎると泡立ちの原因になる |
| タブレット | 計量がいらず、1個入れるだけで済む | 汚れの量に合わせて加減できない。機種によっては使えない |
低温コースをよく使う家は液体、コストを抑えたい家は粉末というのが、この表から読める選び方だ。タブレットは手軽だが、使える機種かどうかを説明書で確かめてから買う。NP-TSP1とSS-MA251は、どちらも説明書でタブレット洗剤の量を示している。
粉末を使う家は、湿気にも気をつけたい。SS-MA251の説明書は、粉末洗剤が食器に残るときの確認点として、粉末が固まっていないか、洗剤が古くなっていないか、入れすぎていないかを挙げている。固まった粉末は砕いてから使い、開けたら袋の口を閉じておく。
洗剤を新しく買うときは、パッケージの「使用できる食器洗い機」の表示と、自分の食洗機の説明書の「使える洗剤」を照らし合わせる。食洗機専用洗剤のパッケージには、洗えない食器や安全上の注意も書かれているので、最初の1回は読んでおく。
1回の量は説明書の数字で決める

洗剤の量は、多ければよく落ちるわけではない。液体を入れすぎると泡立ちの原因になり、粉末は溶け残りにつながる。NP-TSP1とSS-MA251の説明書にある目安は次のとおりだ。
| パナソニック NP-TSP1 | シロカ SS-MA251 | |
|---|---|---|
| 通常の汚れ(粉末・液体) | 約5g | 約4g |
| 通常の汚れ(タブレット) | 1個 | 1個(タブレット洗剤の説明書も確認) |
| 油汚れ・色の濃い汚れ(粉末・液体) | 約10g | 多めに入れる(量の記載なし) |
| 油汚れ・色の濃い汚れ(タブレット) | 3cm未満なら2個、3cm以上なら1個 | 記載なし |
| タブレットを置く場所 | 専用洗剤入れ | メッシュトレイの上 |
NP-TSP1で倍の量を使うのは、トマトケチャップやミートソース、カレーのように油や色素の多い汚れのときだ。SS-MA251にはお湯だけで洗う高温すすぎコースがあり、このコースでは洗剤がいらない。ただしシロカは、コップや油汚れのない予洗いした食器のような軽い汚れ向けとしていて、それ以外の汚れは残る場合があるとしている。
粉末や液体は、最初に一度だけキッチンスケールで約5g(SS-MA251なら約4g)を量り、洗剤に付いている計量スプーンや目盛りで何杯分かを覚えておく。洗剤の説明書の使用量と食洗機の目安が違う場合は、洗剤の説明書も合わせて確かめる。
SS-MA251はタンク式と分岐水栓式を切り替えられる1〜3人向けの卓上食洗機で、高温すすぎコースを持つ。コップや予洗いした食器を洗剤なしで回したい家には、このコースが合う。
下洗いは「洗う」より「流す」

食洗機に入れる前の下洗いで台所用洗剤を使うと、そのまま泡の原因を持ち込むことになる。NP-TSP1の説明書は、台所用洗剤の付いた食器を入れるとエラーの表示が出る原因になるとしている。
下洗いは、次の順にすると洗剤を持ち込まずに済む。
- 食べ残しや骨は、ゴミ箱へ落とす。
- カレーやグラタンのこびり付きは、水かぬるま湯でゆるめてスポンジでこすり落とす。
- 台所用洗剤でつけ置きした食器は、泡が消えるまで流水でしっかりすすぐ。
- スプレー式の台所用洗剤を吹き付けた鍋やフライパンは、食洗機に入れる前に洗剤を流しきる。
食洗機に入れる食器には台所用洗剤を使わないと家族で決めておくと、すすぎ忘れが減る。油汚れが気になるなら、洗剤を足すより、説明書が示す油汚れ用の量と汚れの多いコースを使うほうが筋がよい。
洗剤の置き場所と、子どもの誤飲

食洗機用洗剤は、手洗い用の洗剤とは性質が違う。カナダのオンタリオ中毒センターは、食洗機用洗剤には手洗い用の台所用洗剤より腐食性の強い成分が含まれていると説明している。豪州の消費者団体CHOICEは、食洗機用洗剤はアルカリ性で、少量でも飲み込むと口やのどにひどいやけどを起こすことがあると注意している。
CHOICEは、色付きのタブレットが小さな子どもにはお菓子のように見えること、運転後の洗剤入れに残った洗剤を子どもがかき出して口にした例があることも挙げている。置き場所と使い終わりの確認は、次の3点で足りる。
- 洗剤は子どもの手が届かない高い棚か、扉付きの収納にしまう。シンク下の開き戸にしまうなら、チャイルドロックを付ける
- 洗剤は買ったときの容器のまま保管し、別の容器に移し替えない
- 運転が終わったら、洗剤入れに溶け残りがないかを見る。残っていたら水で流す
子どもが洗剤を口に入れたときや、受診すべきか迷ったときは、中毒110番に相談できる。消費者庁の案内では、大阪中毒110番(072-727-2499)は365日24時間、つくば中毒110番(029-852-9999)は365日9時〜21時に対応している。洗剤の容器を手元に置いて電話する。
食洗機を使い始めたばかりの家では、洗剤を食洗機の横に出しっぱなしにしがちだ。洗剤を入れる場所と、しまう場所を最初に決めておけば、毎回の後片付けも誤飲の心配も一緒に片づく。手持ちの器が食洗機に入れられるかは、食洗機で洗えない食器の見分け方で耐熱温度と材質ごとに整理している。






