東京消防庁によると、令和6年に「ころぶ」事故で救急搬送された高齢者は7万3,500人で、約4割が入院の必要な中等症以上だった。住宅の中でころんだ場所は居室・寝室が2万9,783人で飛び抜けて多く、玄関・勝手口、廊下・縁側・通路、トイレ・洗面所と続く。寝室で目を覚まし、暗い廊下をトイレまで歩く道のりは、その上位の場所をそのままつないでいる。SwitchBot 人感センサーを寝室の出口に置き、廊下の電球を自動で点ければ、壁のスイッチを手探りで探さずに歩き出せる。
カードのリンク先では、水平110°・垂直55°、最大9mの検知範囲と、検出距離を長・中・短の3段階に切り替えられることを確かめられる。公式ストアの価格は3,480円(2026年10月22日確認)。周りの明るさを測る光センサーも内蔵していて、暗いときだけ照明を点ける条件を組める。
寝室からトイレまでが危ない

東京消防庁が住宅の中でころんだ場所をまとめた上位5つは、次のとおりだ。
| 順位 | 発生場所 | 救急搬送人員(令和6年) |
|---|---|---|
| 1位 | 居室・寝室 | 2万9,783人 |
| 2位 | 玄関・勝手口等 | 3,900人 |
| 3位 | 廊下・縁側・通路 | 2,653人 |
| 4位 | トイレ・洗面所 | 1,229人 |
| 5位 | 台所・調理場・ダイニング・食堂 | 1,079人 |
統計は時間帯までは分けていないので、夜中のトイレがどれだけを占めるかは分からない。それでも、寝室、廊下、トイレの3か所が上位に並ぶことは、夜中に起きてトイレへ向かう動線が、家の中で転びやすい場所を通り抜けていることを示している。
東京消防庁は転倒防止の呼びかけとして、段差や階段、玄関への手すりと滑り止め、通路に電源コードを這わせない配置などを挙げている。照明については触れていない。手すりは体を支え、明かりは足元の段差や物を見えるようにする。役目が違うので、どちらか一方で済むものではない。
海外の研究は「弱い光で道を示す」

2020年に学術誌Gerontologyに掲載された研究では、自宅で暮らす65歳以上の64人(平均80.8歳)の家で、ベッドからトイレまでの床の高さにLEDを取り付け、人の動きを感知すると30秒点灯するようにした。夜間の転倒への不安を0〜10で答えてもらうと、5.5から3.8に下がり、睡眠の質の評価も6.7から7.4に上がった。
ただし、この研究は比べる対照群を置かない前後比較で、転倒の回数そのものは少なすぎて変化を判断できなかった。著者も、広く使う前に転倒率や費用対効果をさらに調べるべきだとしている。明かりで転倒が減ると言い切れる段階ではないが、夜に歩くときの不安を下げる効果は示された。
米国ではノースカロライナ大学チャペルヒル校が、国立老化研究所の支援を受けて、認知症のある高齢者施設の入居者335人を1年間追う試験を進めている。トイレや出入口のドア枠を、目立たない弱い光で縦と横になぞり、体の傾きを立て直す手がかりにする照明だ。夜間の転倒が通常の条件より減るかを確かめる。
二つの研究に共通するのは、部屋全体を明るくするのではなく、通り道や入口だけを弱い光で示すという考え方だ。夜中にまぶしい天井灯をつけると目が覚めてしまうし、暗さに慣れた目には眩しすぎる。日本の住宅では、廊下やトイレの天井にE26の電球を使う照明器具が多い。その電球をスマート電球に替え、明るさを低く設定すれば、研究の考え方に近い明かりを手持ちの器具で作れる。
廊下の電球を20%で点ける

廊下とトイレの電球には、SwitchBot スマート電球 E26を使う。
公式ストアの価格は1,980円(2026年10月22日確認)。色温度は2700K〜6500Kで、アプリで明るさも変えられる。SwitchBotの公式ページは、ベッドの下に置いた人感センサーが動きを検知すると、トイレのスマート電球がゆっくり20%まで明るくなる使い方を紹介している。

夜の動線に合わせた設定は、次の流れになる。
- 人感センサーを寝室の出口に向けて置く。 ベッドで寝返りを打つたびに反応しないよう、ベッドではなくドアのほうへレンズを向け、検出距離は「短距離」から試す。
- 条件に「暗いとき」を加える。 内蔵の光センサーで周りが暗いときだけ動くようにすれば、昼間に廊下を通るたびに電球が点くことはない。
- 電球は暖色で20%前後にする。 足元の段差や物が見え、目が覚めきらない明るさを、実際に歩いて決める。
- 人がいなくなったら消す。 人感センサーは、設定した時間内に人を検知しなければ家電をオフにできる。トイレから戻る時間を見込んで、短すぎない時間にする。
スマート電球は、照明器具に電気が来ていないと動かない。家族が習慣で壁のスイッチを切ると、人感センサーが反応しても点かなくなる。スイッチにテープや表示を貼って「切らない」ことを家族で共有しておく。
人感センサーとスマート電球をつなぐにはSwitchBotアプリでシーンを作る。人感センサーはBluetoothで通信するため、公式ページによると、連携する機器がBluetoothの届く範囲を超える場合はハブが必要になる。寝室の出口と廊下の電球が近ければハブなしで試せるが、トイレが離れている家ではハブを足すことを考えておきたい。
向かない照明器具と、明かりだけに頼らない備え

SwitchBotのスマート電球はE26の口金だけで、LED一体型の照明器具や、E17など小さい口金の器具には付けられない。廊下やトイレの照明器具のカバーを外し、E26の電球が差さっているかを買う前に確かめておく。
スマート電球で廊下を照らしても、足腰の弱さやふらつきは変わらない。東京消防庁が呼びかける段差や玄関の手すり、滑り止め、通路のコードの片付けと組み合わせて使う。夜中に何度も起きる、ふらつきが強いといった様子があれば、照明より先にかかりつけの医師に相談する。
照明器具がE26でない家や、寝室にコンセントの余裕がある家なら、足元に置く人感センサー付きのナイトライトのほうが手軽な場合もある。スマート電球の利点は、手持ちの天井の器具がそのまま使え、明るさや点灯時間をアプリで家族が調整できることだ。
寝室から廊下、トイレまで電球が2つか3つの家なら、人感センサー1台とスマート電球2〜3個で動線を一通り照らせる。冬は脱衣所との寒暖差にも気をつけたい季節で、浴室まわりの温度の測り方は脱衣所と居間の温度差を測る記事で扱っている。






