ブレーカーが落ちる原因を回路ごとに減らす|スマートプラグで家電のワット数を測る

玄関近くの分電盤を開き、アンペアブレーカーと並んだ安全ブレーカーを確かめる手元

ブレーカーが落ちたからといって、すぐに契約アンペアを上げても直るとは限らない。家の中の一部だけが暗くなったのなら、落ちたのは契約全体を管理するアンペアブレーカーではなく、1回路あたり20A(2000W)の安全ブレーカーのほうだからだ。この場合、契約アンペアを上げても、同じ回路で同じ家電を同時に使えばまた落ちる。

分電盤のどのつまみが下がったかを見て、その回路につながる家電のワット数を足す。この順番で考えると、使い方を変えるだけで済むのか、契約や配線の相談が要るのかが分かる。手元の家電が実際に何W使っているかは、電力計測付きのスマートプラグで確かめられる。

分電盤の3種類のブレーカー

分電盤のアンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカーを指で示している様子
分電盤には、契約全体・漏電・回路ごとを守る3種類のブレーカーが並ぶ

一般的な住宅の分電盤には、役割の違う3種類のブレーカーが並んでいる。東京電力パワーグリッドの案内をもとにまとめると、次のようになる。

種類 守っているもの 落ちたときの範囲 まず疑うこと
アンペアブレーカー 契約している電気の大きさ 家全体 家中で同時に使いすぎた
漏電ブレーカー 漏電による感電・火災 家全体 どこかの回路や家電の漏電
安全ブレーカー(配線用遮断器) 部屋や場所ごとの回路の配線 その回路だけ その回路での使いすぎやショート

家の一部だけが停電したなら、まず安全ブレーカーを見る。家全体が止まったなら、アンペアブレーカーか漏電ブレーカーのどちらかだ。漏電ブレーカーが落ちた場合は使いすぎとは原因が違い、東京電力パワーグリッドは放置せず早急に対処するよう求めている。

スマートメーターが付いている家では、分電盤にアンペアブレーカーがないこともある。東京電力パワーグリッドによると、スマートメーターのアンペアブレーカー機能が働いた場合、契約アンペアを超えると一時的に停電し、約10秒後に自動で復旧する。暗くなってすぐ明かりが戻ったなら、家全体での使いすぎを疑ってよい。短時間に何度も停電を繰り返し、自動で戻らない場合は東京電力パワーグリッドへ連絡する。

補足

パナソニックによると、アンペアブレーカーは電力会社によっては設置が不要とされている。分電盤にアンペアブレーカーが見当たらないときは、契約している電力会社の案内やスマートメーターの有無を確かめておくと、停電したときに慌てずに済む。

1回路は2000W、コンセント1口は1500W

キッチンのコンセントに電子レンジとトースターがつながり、合計ワット数を考えている台所
同じ回路のコンセントに加熱家電が集まると、安全ブレーカーの2000Wを超えやすい

家庭の電圧は100Vなので、アンペアはワットに置き換えて考えられる。パナソニックの案内では、一般的なコンセント1口に流せるのは15A、つまり1500Wまで。安全ブレーカーは一般的に20Aなので、1つの回路で同時に使えるのは合計2000Wまでになる。

パナソニックが示す例では、オーブントースター(900W)とミキサー(200W)なら合計1100Wで同時に使える。そこへ電子レンジ(1000W)を加えると2100Wになり、回路の上限を超えてブレーカーが落ちる。1口1500Wの範囲に収まっていても、同じ回路につながる別のコンセントの家電と合計されることが落とし穴だ。

東京電力パワーグリッドは、大きな電気を使う家電として炊飯器、電子レンジ、電気ポット、電気ストーブ、ドライヤーを挙げ、なるべく同時に使わないよう勧めている。キッチンは加熱家電が集まりやすく、洗面所はドライヤー、冬の居間は電気ストーブが加わる。どの部屋のコンセントがどの回路かを知っておくと、同時に使わない組み合わせを決めやすい。

ポイント

分電盤の安全ブレーカーの下に「キッチン」「洗面」などの表示がない家は、1つずつ切ってどのコンセントが止まるかを確かめ、マスキングテープで書いておくと次から迷わない。操作する前に、パソコンや録画中の機器を止めておく。

エアコンは動き始めが重い

冬の朝、電気ストーブを止めたリビングでエアコンを操作する様子
エアコンは運転開始から15分ほど大きな電気が流れるため、ほかの家電と時間をずらす

冬にブレーカーが落ちやすいのは、暖房が加わるからだ。東京電力パワーグリッドは、エアコンは運転開始から15分程度は大きな電気が流れると説明し、複数台のエアコンの運転開始時刻をずらすよう勧めている。朝、起きてすぐ居間と寝室のエアコンを同時に入れ、そのまま電子レンジとドライヤーを使うと、家全体の契約アンペアを超えやすい。

エアコンや据え置きのIHクッキングヒーターには、100Vではなく200Vの専用回路を使うものもある。パナソニックの案内では、200V用の配線は多くの電力が必要なエアコンやビルトインIHクッキングヒーターなどに使われる。200Vのエアコンは、100Vのコンセントの回路とは別の配線から電気を取る。家の一部が落ちたときにどの家電を疑うかは、分電盤の表示で確かめたい。

何Wかは、家電の表示と実測で確かめる

電力計測用のスマートプラグにつないだ炊飯器のそばでスマートフォンを確認する様子
家電の銘板の定格消費電力と、スマートプラグで測った実際の値を見比べる

回路の合計を出すには、家電ごとのワット数が要る。最初に見るのは、本体の裏や底の銘板、取扱説明書にある定格消費電力だ。炊飯器や電子レンジは加熱の段階で使う電力が変わるので、表示は上限の目安として足し算に使う。

電子レンジの背面にある銘板の定格消費電力の表示を確かめる手元
回路の足し算には、まず銘板や説明書の定格消費電力を使う

実際にどれくらい使っているかを知りたいなら、電力計測付きのスマートプラグが役に立つ。Tapo P110Mは日本向けの仕様で最大1500W・15Aまでの家電をつなげ、接続した機器の消費電力をアプリで表示できる。電気料金の単価を入れておけば、月の電気料金の目安も確かめられる。Wi-Fiは2.4GHzのみの対応で、Matterにも対応する。

測るときは、次の手順にすると結果を回路の足し算へ使いやすい。

  1. 測りたい家電をTapo P110Mにつなぎ、いつも使う運転内容で一度動かす。
  2. アプリで、動き始めと安定したあとの消費電力を見る。
  3. 分電盤で確かめた回路ごとに、同時に使う家電のワット数を書き出して足す。
  4. 2000Wに近い組み合わせは、使う時間をずらすか、別の回路のコンセントへ移す。
注意

電気ストーブやセラミックヒーターなどの電熱器具は、スマートプラグや電源タップを通さず、本体の定格消費電力の表示で数える。米国の消費者製品安全委員会(CPSC)は、電気ストーブを延長コードや電源タップにつながず、壁のコンセントへ直接差すよう呼びかけている。スマートプラグの説明書で接続が禁じられている機器がないかも、使う前に確かめる。

海外の目安をそのまま使えない理由

日本の100V用プラグと海外のプラグ、延長コードの定格表示を見比べる机の上
同じ15Aでも、電圧が違えば使えるワット数は変わる

同じTapo P110Mでも、米国版は最大15A・1800Wとして案内されている。日本版は15A・1500Wだ。違いは電圧で、米国の家庭は120V、日本は100Vなので、同じ電流でも使えるワット数は日本のほうが小さい。海外のレビューや掲示板で「1口で1800Wまで使える」と読んでも、日本の家にはそのまま当てはまらない。

英国の電気安全団体Electrical Safety Firstは、延長コードの多くは13Aの定格だが、古いものやコードリールは10A以下のものがあり、巻いたままのコードリールは3〜4A程度まで下がると注意している。延長コードや電源タップの定格は、本体の表示で確かめる。壁のコンセントが足りないからといって電源タップに加熱家電をまとめれば、安全ブレーカーより先に電源タップが熱を持つおそれがある。

契約を上げる前に見直すこと

家族で朝の家電の使い方を相談し、メモに書き出している食卓
同時に使う家電の時間をずらすだけで、契約アンペアを変えずに済むことがある

アンペアブレーカーが何度も落ちるなら、まず同時に使う家電を減らせないかを見る。家族が増えた、冬に暖房を足したなど、使う量そのものが増えたのであれば、東京電力パワーグリッドは電力会社へ契約の見直しを相談するよう勧めている。一般家庭の契約アンペアは10A〜60Aが基準だ。

落ちたもの よくある原因 先に試すこと 相談先
安全ブレーカー 同じ回路での使いすぎ 家電を別の回路へ移す、時間をずらす 回路やコンセントの増設は電気工事店
アンペアブレーカー(スマートメーター含む) 家全体での使いすぎ エアコンの運転開始をずらす、加熱家電を重ねない 契約の見直しは契約中の電力会社
漏電ブレーカー 漏電 回路を1つずつ入れて原因の回路を探す 電力会社または電気工事店

使いすぎもショートもないのに頻繁に落ちる場合は、ブレーカー自体の劣化も考えられる。東京電力パワーグリッドは、交換の推奨時期を13〜15年程度としている。築年数の古い家で同じ回路ばかり落ちるなら、家電を減らす工夫より先に点検を頼んだほうが早い。

ブレーカーを上げる前には、アイロンやヒーター、ストーブの電源が入ったままになっていないかを確かめる。東京電力パワーグリッドは、電源が入ったまま復旧すると火災につながるおそれがあるとしている。落ちる前と同じ家電が一斉に動き出して、すぐにまた落ちるのも防げる。

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参考文献

8件
  1. 東京電力パワーグリッド|ブレーカーが落ちる3つの原因と復旧と対策(2024年7月25日)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  2. 東京電力パワーグリッド|停電したらどうする?ブレーカーが落ちた時の対応ガイド(2026年8月7日)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  3. 東京電力パワーグリッド|急に電気が消えたとき(参照日・確認日: 2026-10-22)
  4. パナソニック|電気の基礎知識(ブレーカーとコンセントの容量)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  5. TP-Link Japan|Tapo P110M 製品仕様(参照日・確認日: 2026-10-22)
  6. TP-Link US|Tapo P110M 製品仕様(参照日・確認日: 2026-10-22)
  7. U.S. Consumer Product Safety Commission|Keep Warm and Safe This Winter(2026年1月23日)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  8. Electrical Safety First|Overloading sockets(参照日・確認日: 2026-10-22)
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