食塩に水を少し含ませて密閉した容器に入れると、容器の中の湿度は約75%で落ち着く。米国の国立標準局が1977年にまとめた測定では、10℃で75.67%、20℃で75.47%、25℃で75.29%と、室温の範囲ならほとんど変わらない。この性質を使えば、家にある湿度計が正しいかを、台所の塩とジッパー付きの袋だけで確かめられる。冬に加湿器の目標湿度を決める前に、まず湿度計の数字を疑ってみたい。
カードのリンク先では、SwitchBot 温湿度計の湿度精度が25℃・湿度10〜90%の範囲で±2%であることと、温湿度に差が出た場合は校正を勧めていることを確かめられる。公式ストアの価格は1,980円(2026年10月22日確認)で、アプリの設定から温度と湿度を別々に補正できる。
2台の湿度計が5%違うとき

湿度計を2台持っていると、同じ部屋でも数字が5%ほど違うことは珍しくない。SwitchBot 温湿度計の精度は湿度±2%なので、別の湿度計も同じ程度の精度なら、それぞれが逆の方向にずれるだけで4%前後の差になる。
まず確かめたいのは、置き方の違いだ。SwitchBotのサポートは、数字が他の温度計と違うときは、日光や風の当たらない安定した場所に2台を並べて30分ほど置くよう勧めている。窓際と部屋の中央、加湿器のそばと離れた棚では、実際に湿度が違う。並べて30分置いても差が縮まらないなら、どちらかがずれている。
| 2台の差 | 考えられること | すること |
|---|---|---|
| 2%以内 | 精度の範囲内 | そのまま使う |
| 3〜5%程度 | 片方か両方が少しずれている | 塩のテストでどちらがずれているか確かめる |
| 5%を大きく超える | 置き場所の違いか、センサーの不具合 | 並べ直して確かめ、変わらなければメーカーに相談 |
冬の加湿で目安にされる湿度は、厚生労働省のQ&Aでは50〜60%。窓の結露を考えると、上限をもう少し下げたい家もある。5%のずれは、この目安の幅の半分にあたるので、湿度計の数字をもとに加湿器を自動で動かすなら、一度は確かめておく価値がある。
塩で75%を作る手順

用意するのは、食塩、水、ペットボトルのキャップのような小さな容器、湿度計がまるごと入るジッパー付きの袋か密閉容器だ。米国で長く読まれている塩のテストの解説を参考に、次の順で進める。
- キャップの4分の3ほどまで食塩を入れる。
- 水を数滴ずつ加え、濡れた砂のような状態にする。 食塩が全部溶けると飽和の状態にならないので、溶け残りがあることを確かめる。水が多すぎたら捨てる。
- 袋の中にキャップと湿度計を入れて密閉する。 湿度計が食塩に触れないよう、少し離して置く。
- 温度があまり変わらない場所に、最低6〜8時間置く。 一晩、できれば12〜24時間置くと安定しやすい。
- 袋を開けずに数字を読む。 SwitchBot 温湿度計なら、袋の外から画面やアプリで値を確かめられる。
75%を示せば、その湿度計は正しい。たとえば72%なら、実際より3%低く表示していることになる。
SwitchBotの米国版サポートは、塩のテストは原理として正しいものの、毎回正確に行うのが難しいとしている。不正確な基準で校正するのは、校正しないより悪いとも書いている。食塩が溶けきっていた、袋が開いていた、途中で暖房の風が当たって温度が変わった、といったことで数字はずれる。結果を信じる前に、同じ手順で2回試して同じ値が出るかを見る。
SwitchBotの米国版サポートは、湿度の校正には湿度を75%に保つ市販の校正キットを使い、袋に湿度計と一緒に入れて24〜36時間置く方法を勧めている。塩のテストより手順のぶれが少ないからだ。日本では手に入りにくい場合もあるので、まずは塩のテストで大きなずれがないかを確かめ、精密に合わせたいときに校正キットを探すとよい。
アプリで湿度を補正する

ずれが同じ方向に再現したら、アプリで補正する。SwitchBotアプリでは、ホーム画面で温湿度計を選び、右上の歯車から「校正」を開くと、温度と湿度をそれぞれ調整できる。塩のテストで72%を示した湿度計なら、湿度を3%上げて75%に合わせる。
| 塩のテストの結果 | 補正 |
|---|---|
| 75%前後(±1%) | 補正しない |
| 72〜74%、76〜78%で、2回とも同じ方向 | アプリでずれの分だけ補正する |
| 70%未満、80%超 | 補正せず、テストをやり直すかメーカーに相談 |
SwitchBotのサポートは、校正は湿度5%程度までの小さなずれを直すためのもので、それより大きなずれは校正の手順か本体に問題がある可能性があるとしている。大きくずれる湿度計を補正で無理に合わせるより、アプリのフィードバックやサポート窓口に相談したほうがよい。
温度のずれを確かめたいときは、氷と水をよく混ぜた氷水が0℃の基準になる。SwitchBotのサポートは、温湿度計をジッパー付きの袋に入れて空気を抜き、画面側を水に向けて氷水に沈め、30分以上置いてから0.0℃に合わせる方法を紹介している。袋の口は水に浸けないようにする。
確かめた湿度計で冬の加湿を決める
塩のテストで確かめた湿度計は、部屋の湿度を見る基準になる。ほかの部屋の湿度計を同じ場所に並べて比べれば、家じゅうの湿度計をこの1台に合わせられる。加湿器を湿度計の値で自動運転させる家では、基準がずれていると、加湿器も同じだけずれて動く。
冬の加湿の目標を窓の結露から決める考え方は、加湿器の目標湿度を窓で決める記事で扱っている。湿度計の数字を確かめてから目標を決めれば、結露と乾燥のどちらにも振れにくい。





