東京消防庁によると、令和2年から令和6年までの5年間に、住宅と共同住宅で起きた一酸化炭素中毒の事故は30件だった。月別では1月が8件と最も多く、12月の6件が続く。救急搬送された人の半数以上が入院の必要な中等症以上で、事例には「石油ファンヒーター付近で2時間近く作業していると頭痛を発症した」20代の重症例も載っている。灯油を燃やす暖房を使う部屋では、換気を忘れないことが一番の対策になる。SwitchBot CO2センサーを置けば、換気のタイミングを数字と警告音で知らせてくれる。
カードのリンク先では、NDIR方式のCO2センサーと温湿度センサーを内蔵していることと、本体の警告音・画面の点滅・アプリ通知の3種類のアラートを確かめられる。公式ストアの価格は7,980円(2026年10月22日確認)。電池でもUSB Type-Cの給電でも動く。
CO2とCOの違い

最初に押さえておきたいのは、CO2センサーは一酸化炭素(CO)を測れないということだ。CO2センサーが測るのは二酸化炭素で、一酸化炭素とは別の気体になる。名前が似ているので混同しやすいが、CO2センサーの数字が低いからといって、一酸化炭素が出ていないとは言えない。
それでもCO2センサーが役に立つのは、灯油を燃やすと二酸化炭素が出るからだ。部屋の空気を入れ替えずにファンヒーターを使い続けると、燃焼で出た二酸化炭素が部屋にたまり、CO2の数字が上がる。CO2の数字は、部屋の空気がどれだけ入れ替わっていないかの目安になる。
| 見るもの | 何がわかるか | 使う機器 |
|---|---|---|
| 二酸化炭素(CO2) | 換気が足りているか | CO2センサー |
| 一酸化炭素(CO) | 不完全燃焼で有毒な気体が出ていないか | 一酸化炭素警報器 |
東京消防庁は、一酸化炭素は無色・無臭でとても気付きにくい気体だとして、換気を十分に行うことに加え、一酸化炭素を感知する警報器を設置することも早期発見に有効だとしている。CO2センサーは換気の合図、一酸化炭素は警報器と、役割を分けて備えたい。
厚生労働省の建築物環境衛生管理基準は、事務所などの建物の空気について、二酸化炭素を1,000ppm以下、一酸化炭素を6ppm以下と定めている。住宅に当てはめる基準ではないが、CO2センサーの数字を見るときの目安になる。
換気の少ない部屋で何が起きたか

米国ニューヨーク州保健局は、持ち運び式の灯油ヒーターや換気のないガスヒーターは、燃焼で出たものを直接室内に出すと説明している。ヒーターを使いすぎたり、部屋に対して大きすぎるヒーターを使ったりすると、一酸化炭素や二酸化窒素の濃度が上がり、かぜのような症状や頭痛、目や鼻、のどの刺激を起こすことがある。そのため、一酸化炭素警報器と煙感知器の両方を付けるよう勧めている。
1992年に発表された、米国環境保護庁(EPA)の研究者が加わった調査では、灯油ヒーターで暖房する小さな住宅8軒の一酸化炭素を測り続けた。床面積100m²未満で、空気の入れ替わりが1時間に0.5回未満の家だった。8軒のうち3軒で、8時間平均が米国の基準9ppm前後か、それを上回った。1軒は30〜50ppmの状態が長く続いていた。論文は、使っている人が知らないうちに高い濃度の一酸化炭素を吸っている可能性を指摘している。
石油ファンヒーターも、部屋の空気を使って灯油を燃やし、燃焼で出たものを室内に出す点では変わらない。窓を閉め切りがちな冬の日本の家では、換気の合図を数字で受け取れる仕組みが役に立つ。
アラートが鳴ったら窓を開ける手順

SwitchBot CO2センサーは、設定したCO2濃度を上回ると本体の警告音を鳴らし、画面の数字を点滅させる。この二つはハブがなくても使えるので、ファンヒーターと同じ部屋に置けば、部屋にいる人が音で気付ける。スマホへの通知や外出先からの確認には、SwitchBotのハブが必要になる。
設定は次の流れにする。
- 置く場所を決める。 ファンヒーターの温風が直接当たらない、人が座る高さの棚などに置く。温風の真正面では、温度も濃度も部屋全体とずれやすい。
- アラートの数字を決める。 建物の基準の1,000ppmを目安に、ふだんの部屋の数字を数日見てから決める。
- 鳴ったら窓を開ける。 離れた2か所の窓やドアを少し開けると、空気が通りやすい。数字が下がるまでの時間を何度か見ておくと、次からは「何分開ければよいか」がわかる。
- 点火したまま寝ない。 就寝前はファンヒーターを消す。CO2センサーの警告音は、寝ている人を確実に起こすための機器ではない。
SwitchBotのハブと、SwitchBotのサーキュレーターがあれば、CO2濃度が設定値を上回ったときにサーキュレーターを自動でオンにできる。窓を少し開けておき、サーキュレーターで空気を外へ押し出すと、換気の時間を短くしやすい。
ファンヒーターを使っていて頭痛、めまい、吐き気などを感じたら、CO2センサーの数字に関係なく、すぐに使うのをやめて窓を開け、部屋の外に出る。東京消防庁は、火気設備や器具を使っていて少しでも異常を感じたら、使用を中止して十分に換気するよう呼びかけている。
シーズン初めの点検

換気と並んで大切なのが、ファンヒーター本体の点検だ。東京消防庁は、不完全燃焼が起こると一酸化炭素が出るので、火気設備や器具の定期的な点検と清掃を行うよう求めている。ニューヨーク州保健局も、前のシーズンの灯油は変質して正しく燃えないことがあるとして、去年の灯油を使わないよう注意している。
シーズンの初めに次を確かめておく。
- 取扱説明書にしたがって、フィルターなどの掃除をする
- 去年から残っている灯油は使わず、販売店などに処分の方法を聞く
- 点火時やいつもと違うにおい、炎の色、異音がないかを見る
- 一酸化炭素警報器を付けていない家は、ファンヒーターを使う部屋に用意する
エアコンだけの家には要らない

エアコンや電気ストーブなど、燃焼しない暖房だけの家では、部屋で灯油が燃えることはない。CO2の数字は人の呼吸で上がるので、在宅ワークの部屋などで換気の目安に使うことはできるが、この記事で扱った使い方の必要性は低い。
石油ファンヒーターや石油ストーブを毎日使う家、とくに窓を閉め切りがちな寒い地域の家や、狭い部屋で長時間使う家では、CO2センサーで換気の合図を受け、一酸化炭素警報器で万一に備える組み合わせが効く。CO2センサーそのものの使い方や、在宅ワークの部屋の換気の目安は、SwitchBot CO2センサーで換気の目安を見る記事で扱っている。




