健康長寿ネットに掲載された住宅と健康の調査では、断熱改修前の住宅約2,100軒で、冬の居間の平均室温は16.7℃だった。寝室の就寝中は12.6℃まで下がる。WHOが冬の室温の目安に挙げる18℃を、居間で満たさない家が全体の6割を占める。離れて暮らす親に電話で「寒くない?」と聞いても、「大丈夫」と返ってくる家の多くは、実はこの数字の中にある。SwitchBot 温湿度計プラスのような画面付きの温湿度計を1台置き、家族のスマホで室温を見られるようにすると、「大丈夫」を数字で確かめられる。
カードのリンク先では、3インチの画面で温度と湿度を表示すること、設定した温度に達するとアプリに通知が届くこと、そして外出先から見るにはハブミニとの併用が必要なことを確かめられる。親の家に置く本体と、離れた家族のスマホをつなぐのはハブの役目だ。
18℃と16.7℃の差

WHOは2018年の住宅と健康ガイドラインで、寒い季節の室内は住む人を寒さの害から守れる温度にするよう勧め、温帯や寒冷な気候の国では18℃を一般の人に安全な目安としている。英国のNHSも、居間や寝室など普段使う部屋をできれば18℃以上にするよう呼びかけ、寒さの影響を受けやすい人に65歳以上を挙げている。
日本の住宅の実測は、この目安とかなり離れている。健康長寿ネットの解説によると、国土交通省のスマートウェルネス住宅等推進事業で行われた、断熱改修前の住宅の調査では、次の値が測られた。
| 測った場所と時間 | 平均室温 | 18℃未満の住宅 |
|---|---|---|
| 居間(在宅中) | 16.7℃ | 約6割 |
| 寝室(就寝中) | 12.6℃ | 約9割 |
| 脱衣所(在宅中) | 12.8℃ | 約9割 |
同じ解説は、室温が20℃から10℃に下がったとき、30歳の男性では血圧が3.8mmHg、80歳の男性では10.2mmHg上がるという推計を紹介している。寒い部屋の影響は、年を取るほど大きくなる。高齢の親が「寒くない」と言っても、体の感覚と部屋の温度が一致しているとは限らないので、温湿度計の数字を家族で共有しておく価値がある。
WHOの18℃は一般の人を守るための目安で、高齢者向けに別の数値を定めたものではない。1987年のWHOの指針には高齢者が使う部屋を20〜21℃とする記述があったが、2018年のガイドラインは、その数値の根拠をもうたどれないと説明している。親の部屋では18℃を下限の目安にし、体調や持病に応じて主治医の意見も聞くとよい。
温湿度計プラスとハブミニでできること

温湿度計プラスだけでも、温度と湿度を4秒ごとに測り、本体に68日分の記録を残せる。ただ、記録をスマホへ送る通信はBluetoothなので、親の家に行かなければ見られない。離れて暮らす家族が見るには、親の家にWi-Fiとハブミニが要る。
ハブミニ(Matter対応)は、温湿度計のデータをWi-Fi経由でクラウドへ送り、外出先のアプリで見られるようにする。もう一つの役目は赤外線リモコンで、エアコンのリモコンを登録すれば、家族のスマホから親の家のエアコンを操作できる。公式ストアの価格は、温湿度計プラスが2,980円、ハブミニ(Matter対応)が5,980円で、2台そろえて8,960円だ(2026年10月22日確認)。
| 必要なもの | 役目 | 確認すること |
|---|---|---|
| 温湿度計プラス | 室温・湿度を測り、画面に表示する | 単4形乾電池2本で約1年 |
| ハブミニ(Matter対応) | データを外へ送る、エアコンを赤外線で操作する | 2.4GHzのWi-Fiにつなぐ。USB給電 |
| 親の家のWi-Fi | ハブをインターネットにつなぐ | 光回線やホームルーター。スマホのテザリングは常時接続に向かない |
| 家族のスマホ | 通知を受け、グラフを見る | SwitchBotアプリでホームのメンバーに入る |
アプリのデータは2年分残り、CSVで書き出せる。親がスマホを持っていなくても、画面の大きな温湿度計なら本人も部屋の温度を目で見られる。
ハブミニは2.4GHzのWi-Fiが前提で、モバイル回線のSIMは入らない。実家に固定回線やホームルーターがない場合は、この方法そのものが使えない。回線を引く予定がなければ、温湿度計プラスを置いて帰省のたびにグラフを見るだけでも、冬のあいだの室温の傾向はつかめる。
通知の下限は1週間の記録を見てから決める

最初から下限を18℃にすると、居間が平均16.7℃の家では毎日のように通知が鳴る。通知が多すぎると家族も見なくなり、本当に冷えた日を見逃す。設置して最初の1週間は通知を切り、グラフで次の三つを確かめる。
- 朝起きた直後の室温。 暖房をつける前の一番低い値で、親の家の断熱の目安になる。
- 暖房をつけている時間帯の室温。 18℃に届いているか、何時ごろから暖房を入れているかが分かる。
- 晴れた日と雨や雪の日の差。 日差しで暖まる家は、天気の悪い日だけ冷え込む。
そのうえで、日中の居間に通知の下限を置く。たとえば暖房を使う時間に普段18〜20℃ある家なら、16℃を下回ったら家族に通知する設定にすると、暖房をつけ忘れた日や暖房器具の不調に気づける。夜間や早朝の冷え込みまで通知すると数が増えるので、オートメーションの条件に時間帯を加え、日中だけ動くようにする。
SwitchBotアプリのオートメーションでは、通知を送る相手としてホームの管理者や他のメンバーを選べる。兄弟姉妹でホームを共有し、通知を受ける人を一人か二人に絞っておくと、全員が「誰かが連絡するだろう」と待つ事態を避けられる。
寝室の就寝中の室温は、通知より朝のグラフで見るほうが合っている。夜中に通知が来ても、離れた家族にはすぐできることが少ない。寝室にもう1台置き、何℃まで下がった夜が続いているかを週末に見て、寝具や暖房の使い方を親と話す材料にする。
エアコンを遠隔でつける前に親と決めること

室温が下がった通知を受けたら、まず電話で様子を聞き、暖房をつけるよう勧めるのが基本だ。それでも、親が「もったいない」とエアコンを止めがちな家なら、ハブミニから暖房を入れる選択肢がある。ただし、何も言わずに部屋のエアコンが動き出すと、親は驚くし、故障を疑って止めてしまうこともある。
| 決めておくこと | 理由 |
|---|---|
| 家族が遠隔でエアコンをつけることがある | 突然動いても驚かず、止めずに済む |
| 暖房の設定温度(例:20℃) | 遠隔で入れるときに迷わない |
| 遠隔で動かすのはエアコンだけ | 電気ストーブやこたつは無人の部屋で動かすと火災の危険がある |
| 室温が上がったかを30分後にグラフで見る | 赤外線の操作は届いたかどうかを本体から返さない |
赤外線リモコンは一方通行で、エアコンが実際に動いたかどうかをハブは知らない。操作したあとは温湿度計の室温が上がっているかで確かめる。電気ストーブやこたつを遠隔でつけない理由は、スマートプラグに任せる冬の家電と暖房器具の記事で詳しく扱っている。
赤外線は家具やカーテンにさえぎられる。テレビ台の奥や棚の中ではなく、エアコンの正面が見通せる高さに置く。温湿度計プラスはハブとは別に、暖房の風や窓からの日差しが直接当たらない、座ったときの顔の高さに近い棚へ置くと、部屋の代表値に近づく。
入浴前の温度差まで見たいなら
居間の室温が分かるようになると、次に気になるのは脱衣所や浴室の寒さだ。調査では脱衣所も平均12.8℃で、9割の家が18℃を下回っていた。居間との温度差を測る方法は、脱衣所と居間の温度差を測る記事にまとめた。親の家に置く温湿度計を増やすときも、ハブミニは1台あれば同じ家の複数の温湿度計のデータを外へ送れる。
温湿度計プラスとハブミニの組み合わせが向くのは、親の家にWi-Fiがあり、数字を見て電話で声をかける家族が一人以上いる場合だ。通知を受けても誰も動けないなら、まずは帰省のときに温湿度計を置き、画面の数字を親本人が見る使い方から始めても、部屋の寒さに気づくきっかけになる。






