夜、天井の照明だけの部屋でモニターを見ていると、画面だけが白く浮いて見えることがある。米国眼科学会は、画面が周りより明るく光っていると目はより多く働かなければならないとして、画面の明るさを部屋の明るさに合わせるよう勧めている。
EIZO FlexScan EV2740Xは、この「合わせる」作業をモニター側でやってくれる27型4Kモニターだ。前面のセンサーで周囲の明るさを測り、画面の明るさを自動で調整するAuto EcoViewを備え、輝度は約1cd/m²まで下げられる。日中は明るい窓辺で、夜は暗い書斎で、と時間帯で部屋の明るさが変わる在宅作業ほど、この機能が効いてくる。
目の負担を減らす設定の中心は、ブルーライトより明るさの差にある。
USB-C給電やPC2台の切り替えなど、接続まわりの判断はEIZO EV2740XでPC2台をまとめる記事で整理している。
画面と部屋の明るさの差を縮める

目の負担に関わる明るさの考え方は、海外の眼科学会と日本の行政で共通している。
| 出典 | 明るさについての指針 |
|---|---|
| 米国眼科学会(AAO) | 画面が周りより明るいと目はより多く働く。画面の明るさを周囲の明るさに合わせる |
| 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」 | 書類上とキーボード上の照度は300ルクス以上。画面の明るさと、書類・キーボード面・周辺の明るさの差はなるべく小さくする |
どちらも、画面だけを暗くすればいいとは言っていない。部屋を適度に明るくしたうえで、画面をその明るさに寄せるのが基本になる。夜に照明を消してモニターだけで作業するのは、明るさの差が最も大きくなる使い方だ。

EIZOの日本公式ページによると、EV2740XのAuto EcoViewは環境光を感知して画面の明るさを自動で調整し、周囲の明るさへの追従性を上げて自然な調光にしたとされる。夕方に部屋が暗くなっていくとき、手動で明るさを下げ忘れても、モニター側が追いかけてくれる。
Auto EcoViewを使う前に、デスクライトを机の上に置いておく。厚生労働省のガイドラインが示すように、キーボードや書類の上が暗いままだと、画面を部屋に合わせても手元との明るさの差が残る。
約1cd/m²まで暗くできる意味

多くのモニターは、明るさを最小にしても暗い部屋ではまだまぶしいことがある。EV2740Xは、海外公式ページによると約1cd/m²まで輝度を下げられ、これは最大輝度の1%未満にあたる。
明るさの上側も確かめておく。ドイツのCHIPは、EV2740Xの最大輝度を328cd/m²と測定し、事務作業には十分だが目立つ数字ではないと評価している。日中の窓辺で使うなら上限が足りるかが気になるところだが、在宅作業の多くの時間を占める室内照明の下では、上限よりどこまで暗くできるかのほうが目の快適さに関わる。
| 使う場面 | 明るさの考え方 |
|---|---|
| 晴れた日中の窓辺 | 上限近くまで上げることがある。窓を背にしない配置が先 |
| 天井照明の下の夕方〜夜 | Auto EcoViewに任せ、まぶしければ上限を手動で下げる |
| デスクライトだけの深夜 | 大きく下げる。約1cd/m²まで下げられるので、暗すぎるほうへも調整できる |
暗い部屋では、明るさの下限が深いモニターほど調整の余地が大きい。
EIZOの海外公式ページは、LEDバックライトの明るさの制御方法によっては、一部の人が画面のちらつきを感じて目が疲れる原因になると説明している。EV2740Xは複数の方法を組み合わせた調光で、低輝度でも色の安定性を損なわずにちらつきを感じさせないようにしているという。日本公式ページではこれを「EyeCare調光方式」と呼んでいる。暗く設定するほどちらつきが出やすいモニターもあるので、低輝度で使う人ほど確認したい点だ。
Paperモードは文書を読む時間に使う

EV2740Xには「Paperモード」がある。EIZOによると、一般的な液晶モニターに比べて輝度とコントラスト比を抑え、画面を暖色系の色味にすることでブルーライトの量を減らすモードで、Auto EcoViewと併用するとブルーライトを約80%カットする。
ただし、Paperモードは色味が変わるので、すべての作業に向くわけではない。
| 作業 | Paperモード |
|---|---|
| 長い文書や資料を読む | 向く |
| 表計算やメールなど文字中心の作業 | 向く |
| 写真の色を確認する、資料の配色を決める | 標準のモードに戻す |
| 動画を見る | 好みで選ぶ |
夜は文書作業をPaperモード、色を見る作業は標準モードと分けると使いやすい。EIZOの無償ソフトウェアScreen InStyleを使うと、画面の明るさなどの表示設定を保存できるので、時間帯や作業で切り替える手間を減らせる。
ブルーライトの量を減らしても、それだけで目の疲れがなくなるわけではない。米国眼科学会のページは、目の疲れを減らす方法として、明るさを合わせること、画面との距離、まばたき、画面の映り込み対策を挙げている。Paperモードは、明るさの調整や休憩と組み合わせて使う。
置き方と休憩の目安

明るさを整えても、画面が近すぎたり高すぎたりすると目は疲れやすい。距離と休憩については、次の目安がある。
| 項目 | 目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 画面との距離 | 約25インチ(約63cm)、腕の長さほど | 米国眼科学会 |
| 画面との距離 | おおむね40cm以上 | 厚生労働省ガイドライン |
| 画面の高さ | 目線がやや下を向く位置 | 米国眼科学会 |
| 連続作業 | 1時間を超えないようにし、次の作業までに10〜15分の休止。途中で1〜2回の小休止 | 厚生労働省ガイドライン |
| まばたき | 意識して回数を増やす。画面を見ていると1分あたり5〜7回まで減る | 米国眼科学会 |
27型4Kモニターは、近づくと文字は細かく見えるが、画面の端を見るときに首と目の動きが大きくなる。机の奥行きが60cm以上あれば、腕の長さほどの距離を取りやすい。奥行きが足りない机では、モニターアームで画面を奥へ逃がす方法もある。
映り込みも目の負担になる。EV2740Xの画面はアンチグレア(非光沢)処理で、照明の反射が目立ちにくい。それでも窓を背にして座ると画面に窓の明るさが映るので、窓は横に来る配置が向いている。
米国眼科学会は、まばたきを思い出すためにモニターに付箋を貼る方法も紹介している。1時間ごとの休憩とあわせて、目を閉じたり遠くを見たりする時間を作ると、明るさの設定だけに頼らずに済む。
明るさの設定手順

EV2740Xを買った日にしておきたい設定を、順番にまとめる。
- 机の上にデスクライトを置き、キーボードや書類の上を明るくする
- 窓が画面に映り込まない向きに机とモニターを置く
- 画面との距離を40cm以上(できれば腕の長さほど)に取り、目線がやや下向きになる高さに合わせる
- Auto EcoViewを有効にし、日中と夜の両方でまぶしさがないか確かめる
- 夜の文書作業用にPaperモードを試し、色を見る作業用に標準のモードも残す
- 好みの設定が決まったら、Screen InStyleに保存する
設定の名前やメニューの位置は、EIZOの取扱説明書で確認できる。最初の1週間で、朝・昼・夜の3つの時間帯に一度ずつ画面のまぶしさを確かめると、自分の部屋に合った設定が見つけやすい。
よくある質問

目の疲れはモニターを替えれば治る?
モニターの機能で減らせるのは、明るさの差やちらつき、映り込みによる負担までだ。目の疲れが続く、見えにくさを感じる場合は、眼科で相談する。厚生労働省のガイドラインも、視距離に合った視力矯正を健康管理の項目として挙げている。
ブルーライトカットの眼鏡と併用したほうがいい?
Paperモードでも色味は暖色寄りになるので、併用すると画面がさらに黄色く見える。どちらか一方から試し、明るさの調整と休憩の効果を先に確かめるといい。
Auto EcoViewを使うと色が変わる?
Auto EcoViewが変えるのは画面の明るさで、EIZOはEcoView Optimizer 2という機能で表示内容の見やすさを保つよう補正しているとしている。写真の色を正確に見る作業をするときは、明るさを固定した設定も用意しておくと安心できる。
4Kで文字が小さすぎる場合は?
27型で4Kの解像度をそのまま表示すると、文字はかなり小さい。PC側の表示倍率(拡大率)を上げて文字を大きくすると、画面に顔を近づけずに済み、距離を保ちやすくなる。
EIZO EV2740Xは、部屋の明るさに画面を合わせる機能と、深く暗くできる輝度、低輝度でもちらつきを抑える調光をそろえた27型4Kモニターだ。夜も在宅で作業する人ほど、これらの機能が効く時間が長い。あとはデスクライトで手元を明るくし、距離と休憩の目安を守れば、モニターの機能を目の快適さにつなげやすい。





