冬の雷からパソコンを守る|日本海側の冬季雷とUPSのサージ保護の使い方

雪の降る冬の夕方、窓の外に雷が光る部屋でデスクトップパソコンが置かれた机

雷は夏のもの、と思っていると、日本海側の冬に足をすくわれる。気象庁によると、1991〜2020年の平年値で年間の雷日数が最も多いのは金沢の45.1日で、内陸の宇都宮では夏に雷が多いのに対し、金沢は冬に雷が多い。気象庁の北陸の解説では、冬の落雷は夏に比べて大地へ流れる電流が大きいことが多く、建物に大きな被害を及ぼすこともある。

近くに雷が落ちると、電源や電話回線、テレビのアンテナ線を通じて過大な電流(雷サージ)が流れ込み、パソコンが壊れることがある。ソニーのVAIOのサポートページは、落雷地点が離れていても起こりうるとしている。

CyberPower CPJ500は、500VA/300WのUPS(無停電電源装置)で、停電してバッテリーに切り替わったときも純粋な正弦波で電気を送る。カードのリンク先では、6口すべてがバッテリーとサージ保護の両方に対応し、サージ保護の定格が116ジュールであることを確かめられる。冬の雷で一瞬電気が落ちても、デスクトップパソコンを止めずに保存とシャットダウンの時間を作れる。

雷サージはどこから入るか

電源線と通信線がパソコン周辺へ、屋根のアンテナ線がテレビへ入る経路の模式図
雷サージは電源線だけでなく、電話回線やアンテナ線からも入る

雷サージの入り口は、家の外とつながっている線すべてだ。ソニーは、電源、電話回線、テレビアンテナなどを通じて雷サージが流れ込むと説明している。パソコンなら、電源コードに加えて、インターネットの回線につながるモデムやルーター、そこからのLANケーブルも経路になりうる。

経路 守り方
電源コード 使わないときはプラグを抜く。UPSや雷サージ対応のタップを通す
電話回線・モデム・ルーター 雷の前にLANケーブルや機器の電源を抜く
テレビのアンテナ線 パソコンでテレビを見る場合は、アンテナ線も経路になる

CPJ500の仕様表では、LANや電話回線、アンテナ線を守る端子の欄は空欄になっている。UPSで守れるのは電源コードの側だけで、LANケーブルから入る雷サージは別に考える必要がある。

補足 冬の雷は日本海の沿岸で多い

気象庁の北陸の解説によると、冬の雷は日本海の沿岸部で多く、海岸から離れるほど少なくなる。冬の積乱雲は背が低く、高さは3000mから高くても6000m程度だという。北陸から東北にかけての沿岸に住んでいる家ほど、冬も雷への備えが要る。

抜くのは「鳴る前」、鳴ったら触らない

雷が来る前の日中、電源プラグの本体を持って壁のコンセントから抜いた手元
雷の予報が出た段階で、鳴り始める前にプラグを抜く

「雷が鳴ったらコンセントを抜く」とよく言われるが、米国気象局(NWS)は、雷雨の最中に機器のプラグを抜くと感電するおそれがあるので抜かないように求めている。パソコンやテレビ、コードにも触れないよう注意している。ソニーのVAIOサポートも、雷が近いときは機器やコード類、電源プラグに触れないよう案内している。

米国コネチカット州のテリービル消防署の資料も、雷の季節の注意としてパソコンなどのプラグを抜き、抜けない場合は電源を切るよう勧め、重要な機器にはサージ保護機器を付けるよう案内している。雷は夏に多いが、一年中起こるとも書いている。

つまり、抜くなら雷が来る前だ。次のような場面で、先に手を打っておく。

  1. 雷注意報が出た日や、天気予報で雷の可能性があると分かった日は、使い終わったパソコンの電源プラグを抜いておく。
  2. 寝る前や外出前に、使わないパソコンとモデム・ルーターのLANケーブルを抜いておく。
  3. 雷が鳴り始めたら、パソコンやコードには触らず、作業中のファイルの保存だけを済ませる。
雷が来る前にパソコンのLAN端子から外したRJ45コネクター
LANケーブルも雷の前に抜いておく
注意

NWSは、一般的なサージ保護機器は落雷から機器を守れないとしている。UPSや雷サージ対応のタップは、近くへの落雷で入ってくる電圧の急な変化を和らげる道具で、直撃や大きな雷サージまで止められるわけではない。大事なデータは、雷の季節の前にバックアップしておく。

パソコンにUSB接続した外付けSSDとファイル一覧の画面
大事なデータは雷の季節の前にバックアップする

UPSが役に立つのは停電と瞬断

机の下の汎用UPSとパソコン・モニターの電源接続を示す模式図
デスクトップパソコンはUPSを通して壁のコンセントにつなぐ

雷のあとに困るのは、機器の故障だけではない。送電線への落雷で電気が一瞬止まったり、停電したりすると、デスクトップパソコンは保存していない作業ごと電源が落ちる。ソニーは、UPSを使えば停電時に安全にシャットダウンでき、電圧の急な変化からも機器を守れる場合があるとしている。

CPJ500はバッテリー運転時も純粋正弦波を出す。CyberPowerの米国の解説によると、省エネのための回路(アクティブPFC)を持つパソコンの電源は、波形が階段状の疑似正弦波のUPSでは、切り替わる瞬間の電圧ゼロの点を停電と受け取り、予告なく落ちることがある。同じ家庭用UPSでも、APCのES 750(BE750M2-JP)は出力が疑似正弦波で、メーカーは力率改善回路(PFC)を持つ電源の機器にはESシリーズ以外を選ぶよう案内している。パソコンにつなぐなら、波形と容量(CPJ500は300Wまで)を先に確かめる。

上段に滑らかな正弦波、下段に階段状の疑似正弦波を示した模式図
UPSを選ぶ際は出力波形とパソコンの対応条件を確認する
ポイント

UPSには、パソコン本体とモニターだけをつなぐ。プリンターや電気ストーブのように電気を多く使う機器をつなぐと、300Wの上限を超えたり、停電時にバッテリーがすぐに尽きたりする。ルーターやONUの停電対策は、APC ES 750でルーターを守る記事で扱っている。

CPJ500をパソコンの停電対策に選ぶときの条件や、アクティブPFCの見分け方は、CyberPower CPJ500の記事で詳しくまとめている。冬の雷に備えるなら、UPSで停電と瞬断に備え、LANは雷の前に抜き、鳴り始めたら触らない。この3つを組み合わせておけば、冬の夜の雷で慌てずに済む。

PRODUCTS IN THIS ARTICLE

この記事の商品一覧

参考文献

8件
  1. 気象庁|雷の観測と統計(参照日・確認日: 2026-10-22)
  2. 気象庁|冬季の雷(北陸地方の気候)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  3. ソニー|落雷でパソコンが故障!?(VAIOサポート)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  4. CyberPower|CPJ500(参照日・確認日: 2026-10-22)
  5. シュナイダーエレクトリック|APC ES 750 BE750M2-JP(参照日・確認日: 2026-10-22)
  6. CyberPower(米国)|How to Choose the Right UPS for ENERGY STAR Computers(参照日・確認日: 2026-10-22)
  7. Terryville Fire Department(Plymouth, CT)|Lightning Safety(PDF)(参照日・確認日: 2026-10-22)
  8. National Weather Service|Lightning Indoors(参照日・確認日: 2026-10-22)
← 記事一覧へ戻る