エアコンの温度を変えるだけなのに、スマートフォンを探してアプリを開く。Hub 3をリビングの定位置に置けば、家族がスマートフォンを探す手間を減らし、画面やダイヤル、登録したボタンで温度調整やシーン呼び出しをその場で行える。家族がテレビを見ている横で、その操作を一人だけが引き受けると、スマートホームは便利になる前に「分かる人に聞く家」になりやすい。
一方で、カメラの映像を保存し、人物やペットを見分け、Home AssistantやFrigateまで動かしたい家は、リモコンの延長にあるハブでは足りない。家の中で処理する機能が増えるほど、置き場所、電源、回線、月額サービスの確認も増える。
SwitchBot Hub 3とSwitchBot AIハブは、どちらもスマートホームの中心に置く製品だが、家族が触る操作盤と、映像や自動化を処理する小型サーバーでは役割が違う。毎日の家電操作を家族へ渡したいならHub 3、カメラとローカル処理まで運用したいならAIハブという分かれ方を、価格、設置、連携、維持、通信が切れたときの残り方で比べる。
Hub 3の基本機能と既存ハブとの差はSwitchBot Hub 3の使い方と連携に、AIハブのソフトウェア構成はSwitchBot AIハブのローカルAI解説にまとめている。今回の比較は、機能一覧を増やす記事ではなく、どちらを家のどこに置き、誰が何を操作するかを決めるためのものだ。


二つのハブは、家の中で担当する仕事が違う

Hub 3は、赤外線家電、SwitchBotデバイス、Matter機器をまとめ、画面とダイヤル、4つのカスタムボタンで操作するハブだ。日本公式はエアコンや照明の操作、シーンの呼び出し、温湿度やロック状態の表示を案内している。スマートフォンを持っていない人にも、リビングの棚にある操作盤として役割を渡しやすい。
AIハブは、カメラを入力にしてローカルAI識別、ローカル保存、Frigate、Home Assistant Core、Matterブリッジを一台に集める構成だ。海外公式は、接続したカメラを使うAI機能、RTSP対応、ローカルで動くオートメーションを説明している。家電の温度を一度変える道具というより、映像と複数の自動化を管理する小型コンピューターに近い。
海外の独立レビューでも差ははっきりしている。Matter AlphaはHub 3の物理ボタンとダイヤルを評価する一方、電源ケーブルにつながれた操作盤の扱いづらさや、Matterの仮想ボタンを呼び出す手順を指摘した。AIハブについては、NVR、Matterブリッジ、Home Assistant、Frigateを一つにした反面、製品の役割が広く、Ethernet端子も内蔵しないと整理している。
| 比較軸 | SwitchBot Hub 3 | SwitchBot AIハブ | 何も買わない選択 |
|---|---|---|---|
| 主な悩み | 家族が家電やシーンを触るたびにスマホを探す | カメラ、記録、ローカルAI、自動化をまとめたい | 今のリモコンや設定で困っていない |
| 価格の確認値 | 日本公式商品ページで16,980円(税込) | 日本公式商品ページで39,980円(税込) | 0円 |
| 設置 | リビングの棚や寝室の台に置く操作盤 | ルーター、カメラ、モニター、ストレージへ近い棚 | 既存のリモコンを使う |
| 連携 | 赤外線、SwitchBot、Matter、Apple Homeなど | カメラ、RTSP、Frigate、Home Assistant、Matter | 追加の連携なし |
| 維持 | 電源とWi-Fi、接続機器の電池やファームウェアを管理 | 電源、Wi-Fi、カメラ、保存容量、AI+の要否を管理 | 電池交換やリモコンの整理だけ |
| 家族の操作 | 画面、ダイヤル、4ボタンをその場で触る | 管理者が画面やアプリ、PCブラウザーで監視する | 家族それぞれが元の道具を使う |
| 通信断への備え | 公式がローカルコントロールでエアコン操作を案内 | ローカル機能はあるが、Frigateのアクセスにはインターネットと同一LAN条件がある | 通常の手動操作へ戻る |
表の価格は確認日現在の日本公式商品ページ表示だ。Hub 3は別の価格改定告知に14,980円の新価格表記もあるため、販売ページと告知の表示が一致しない場合は購入直前に商品ページを開き直したい。AIハブは本体価格だけでなく、VLM機能を使う家庭ではAI+の月額1,680円、カメラや外付けストレージの費用も加わる。
この二つを「どちらが高性能か」だけで並べると、家族が毎日触る道具と、管理者が仕組みを組む道具を同じ点数で比べることになる。違う役割を同じ表へ置くと、必要な支出と設置場所の差が見える。
価格より先に、置ける場所と電源を決める


Hub 3のセットアップは、公式サポートが2.4GHz Wi-Fiへの接続、アプリでのデバイス追加、本体のON/OFFボタン操作という順で案内している。リビングの棚に置けば家族の目に入りやすいが、棚の裏へ隠すと画面とボタンの意味が消える。赤外線家電を操作するなら、テレビやエアコンの受光部も同じ部屋で見通せる位置が扱いやすい。
AIハブは2.4GHzと5GHzのWi-Fiに対応し、電源は12V=1.5A、付属のmicroSDカードがある。カメラの映像を扱うため、ルーターとカメラの近くに置ける棚を先に決めたい。Matter Alphaのレビューでは本体にEthernet端子がなく、USB-CのEthernetアダプターを使う方法が紹介されている。有線で安定させたい場合は、本体だけでなくアダプターとケーブルを置く場所も必要になる。
AIハブでFrigateを使う場合、公式サポートはAIハブとカメラをインターネットへ接続し、遅延があるときはカメラと同じLANからアクセスするよう案内している。ローカル処理を選んでも、ネットワーク設計が不要になるわけではない。
Hub 3を確認するなら、販売ページで単品かセットか、画面に表示できるセンサー、4つのカスタムボタンの使い方を開き直す。スマートフォンを持たない家族が触る場所へ置くなら、商品画像だけでなく付属品と電源ケーブルの長さも確認してから購入したい。
Hub 3は、家族が毎日触る操作盤にする

Hub 3の判断軸は、機能の多さではなく、スマートホームを誰が操作するかだ。帰宅した人が照明をつけ、テレビの音量を変え、エアコンの温度を1℃動かす場面では、画面とダイヤルの存在がアプリの階層を減らす。
日本公式は、ダイヤルでエアコンの温度や照明の明るさを調整し、4つのカスタムボタンへ「外出」や「帰宅」のようなシーンを登録できると説明している。家族で同じシーン名を覚えられるなら、アプリのアカウントや音声操作を家族全員へ教える手間を減らせる。
ただし、物理操作が常に直感的とは限らない。Matter Alphaのレビューでは、4つのタッチボタンと画面上のアイコンが正確に並ばず、表示を正面から見ないと押す場所が分かりづらい場面があると指摘されている。電源ケーブルにつながれたままのため、ソファへ持っていくリモコンとしてより、定位置に置く操作盤として考えた方がよい。
Hub 3は、SwitchBotのセンサーやロックの状態を画面で見たい家にも向く。一方、スマートホームの操作を管理者がアプリから行い、家族は既存のリモコンで十分なら、画面とダイヤルのために買い足す必要はない。家族が触る回数が少ない場合は、何も買わずに元のリモコンを定位置へ戻す方が管理項目を増やさずに済む。
AIハブは、カメラと自動化を一つの棚で管理する


AIハブを選ぶ理由は、Hub 3の操作ボタンが増えることではない。カメラの映像を取り込み、ローカルAIで人物やペットなどを識別し、録画や通知、自動化の条件へ使いたいからだ。海外公式とMighty Gadgetのレビューは、6 TOPSのローカルAI、最大8台のカメラ、RTSPカメラ、Frigate、Home Assistant Core、最大30台のMatterブリッジを主な構成として挙げている。
ローカル処理には、映像を外部サービスへ毎回送らずに済ませやすい意味がある。AIハブのmicroSDやUSBストレージへ録画を残せるため、カメラの記録を自宅の棚で管理したい家庭には、Hub 3より導入理由がはっきりする。
ただし、機能を使い切るには管理の仕事も増える。カメラをSwitchBotアプリへ追加し、RTSP機器を使うなら接続情報を扱い、保存容量を確認し、Home AssistantやFrigateの画面を管理する。Mighty Gadgetは、AI+なしでも人物やペット、車両の基本検知は使える一方、自然な文章による映像要約や高度なシナリオ自動化にはサブスクリプションが必要と整理している。
日本公式はVLMによるAI機能を有料サービスとし、初回1か月無料、AI+月額1,680円(税込)と案内している。カメラを置かない家ではAI+の判断材料自体が生まれないため、本体だけを先に買うと、Hub 3との価格差を使わないまま抱えることになる。
AIハブの販売ページでは、AI機能に対応するカメラ、RTSP対応、Home Assistant、Matter、付属microSDの内容を確認できる。カメラを何台つなぐかとAI+を契約するかが決まってから、商品画像とセット内容を開き直したい。
通信が切れたときは、製品ではなく機能ごとに残り方を見る


「ローカル」という言葉だけで、ネット回線が切れても家全体が動くと考えるのは危険だ。Hub 3について日本公式が案内するローカルコントロールは、ネットワーク切断時やサーバー障害時にもエアコン操作を可能にする機能だ。これは、Hub 3に登録したすべての機器や、外出先からの操作まで無条件に残るという説明ではない。
AIハブはローカルAI識別やローカル保存を強みにするが、公式のFrigate案内はAIハブとカメラのインターネット接続、同一LANからのアクセスを求めている。さらに、AI+のVLM機能は有料サービスとして別に提供される。ローカル処理は、回線・アカウント・カメラが不要になることではなく、処理の一部を家の中へ移すことだ。
通信断を心配して購入するなら、残したい操作を先に一つ決めるとよい。エアコンをその場で動かせればよいのか、カメラの録画を家の中へ残したいのか、外出先から家族へ通知したいのかで、必要な製品と回線条件が変わる。停電まで含めるなら、どちらのハブも電源が切れるため、別に手動操作と電源の備えを残しておく必要がある。
家族が触る家と、仕組みを管理する家で選ぶ


Hub 3へ寄るのは、リビングや寝室で家族が照明、テレビ、エアコン、シーンを触りたい家だ。2.4GHz Wi-Fiへつなげられ、電源を取れる定位置があり、画面とダイヤルを見える場所へ置けるなら、スマートフォンを探す操作を減らしやすい。カメラや録画を使わないなら、AIハブの価格と管理項目を増やす理由は薄い。
AIハブへ寄るのは、カメラを置く場所とルーター近くの棚があり、録画、人物・ペットの検知、RTSP、Home Assistant、Frigateのどれかを継続して管理する家だ。AI+の月額、保存容量、カメラの接続、同一LANからのアクセスを受け入れられるなら、Hub 3とは違う種類の仕事を一台へ集約できる。
どちらも今の不便を具体化できないなら、買わない選択が残る。リモコンを一つの箱へ戻し、家族で使うシーン名を紙に書き、カメラや録画が必要になった時点で改めてAIハブを検討する方法だ。ハブを増やすほど家族の操作が減るとは限らず、設定を引き受ける人の負担まで含めて決めたい。
家族の手を止めないことが目的ならHub 3、家の映像と自動化を管理することが目的ならAIハブ。 価格だけでなく、毎日触る人と毎月維持する人が同じか、置き場所と回線を確保できるかを確認すると、比較表の結論を自分の家へ移せる。




