夜の会議で落ちるのは、電気より先に生活の段取り

夕方のオンライン会議で、画面共有を始めた瞬間に部屋の照明が一度だけ暗くなる。数秒で電気は戻ったのに、Wi-Fiルーターは再起動中。会議アプリはスマホ回線へ逃げ、SwitchBot Hubはオフラインになり、防犯カメラの通知も止まる。停電対策と聞くと冷蔵庫や電子レンジを思い浮かべがちだが、在宅勤務の家庭で最初に困るのは「仕事と家の司令塔が同時に落ちる」ことだ。
在宅勤務のネット停電対策は、大容量ポータブル電源を買うだけでは足りない。ONU、Wi-Fiルーター、メッシュWi-Fi、スマートホームHub、ノートPC、モニター、照明、防犯カメラを同じ電源計画に入れると、容量も配線もすぐ破綻する。守るべき機器を絞り、短い瞬断はUPSで吸収し、長い停電はポータブル電源へ逃がし、復旧後に家族が触れる手順まで決めておくほうが現実的だ。
この記事では、在宅勤務とスマートホームを両方使っている家向けに、2026年6月12日時点で確認できる公式仕様と既存のクラハック検証記事をもとに、電源とネットワークの守り方を整理する。対象は、仕事中の通信断を減らしたい人、SwitchBotや防犯カメラを停電後に迷子にしたくない人、ポータブル電源を買う前に何Wh必要かを生活単位で見たい人だ。
すでに停電対策の全体像を知りたい場合は、容量別に整理したマンション停電に強いポータブル電源を先に読むとよい。ルーターだけを落とさない小さな構成なら、家庭用UPSでルーター停電対策が近い。この記事はその中間、つまり「仕事机、通信、スマートホームをまとめて守る設計」に絞る。
UPSやポータブル電源は、通信、仕事、照明、スマートホームの余裕を作る道具です。医療機器、生命維持に関わる機器、止まると安全に直結する設備の電源保証として自己判断で使わないでください。必要な機器がある家庭は、機器メーカー、医療機関、電力会社、自治体の案内を先に確認してください。
守る機器を三層に分ける

停電対策で最初にやることは、容量計算ではない。家の機器を「停電中も落としたくないもの」「落ちても復旧を早くしたいもの」「停電中は諦めるもの」に分けることだ。ここを飛ばすと、1台の電源に冷蔵庫、ルーター、PC、照明、カメラ、Hub、スマホ充電器を全部つなぎたくなる。
在宅勤務の家庭では、まず通信層を守る。ONU、ホームゲートウェイ、Wi-Fiルーター、メッシュWi-Fi親機、スマートホームHub。ここが落ちると、Web会議だけでなく、スマートロックの通知、防犯カメラの映像、温湿度アラート、外出先からの家電操作が止まる。短い瞬断で毎回ルーターが再起動する家は、容量より先にUPSの価値が大きい。
次に仕事層を見る。ノートPCは内蔵バッテリーがあるので、停電しても即停止しない。問題は、外付けモニター、USB-Cドック、デスクライト、会議用マイク、固定回線だ。デスクトップPCやNASを使っている場合は、データ保護のために専用UPSと自動シャットダウン設定まで考える必要がある。会議を続けたいのか、作業を保存して安全に終わらせたいのかで、買う機器は変わる。
最後が生活層だ。スマートホームHub、防犯カメラ、スマートロック、温湿度センサー、照明、カーテン、エアコン。電池式のスマートロックや温湿度計は停電中も本体だけなら動くことが多いが、通知や遠隔操作はルーターとHub次第になる。スマート照明やエアコンは、家の電気そのものが落ちれば動かない。停電中に全部を動かすより、復電後に正しく戻る設定を確認するほうが大事だ。
| 層 | 守る機器 | 優先する電源 | 買う前の見方 |
|---|---|---|---|
| 通信層 | ONU、ルーター、メッシュ親機、Hub | 家庭用UPSまたは小型ポータブル電源 | 合計W、設置場所、常時接続条件 |
| 仕事層 | ノートPC、モニター、USB-Cドック、マイク | ノートPC内蔵電池 + 必要ならポータブル電源 | 会議を続けるか、保存して終えるか |
| 生活層 | 防犯カメラ、スマートロック通知、温湿度アラート | Hubとルーターの給電を優先 | 本体電池とクラウド通知を分ける |
| 諦める層 | 電子レンジ、ドライヤー、電気ケトル、エアコン | 原則別計画 | 高出力で容量を一気に使う |
この切り分けは、家族と共有して初めて効く。停電したときに誰かが「とりあえず冷蔵庫をつなごう」と判断すると、通信が落ち、仕事も通知も失うことがある。冷蔵庫を守る判断は長時間停電が見えてからでよい。最初の数十分は、通信、連絡、照明、スマホ充電のほうが価値を出しやすい。
家の中で最初に守るべきコンセントは、ONUとWi-Fiルーターが刺さっている場所です。そこにHubやメッシュ親機も集められるなら、UPSの効果が大きくなります。分散している場合は、機器を動かすか、守る範囲を絞ります。
停電時間で買うものは変わる

同じ停電でも、瞬断、数十分、半日では対策が違う。ルーターが一瞬落ちるだけでWeb会議が切れる家と、台風で数時間の停電を想定する家を、同じ商品で解決しようとしないほうがよい。
瞬断対策なら、UPSが向く。ルーター、ONU、Hubを落とさずに数分から数十分つなぎ、回線の再起動を防ぐのが目的だ。容量は大きくなくていい。大事なのは、常時接続しやすいこと、ACアダプターが干渉しないこと、警告音が家族のストレスにならないこと、バッテリー寿命と交換を管理できることだ。
数十分から数時間の停電なら、小型ポータブル電源も候補になる。通信だけでなく、スマホ、LED照明、ノートPC、タブレットまでまとめて見る。EcoFlow RIVER 3 Plusのような286Wh級は、冷蔵庫を長く動かす道具ではないが、ルーターと仕事机を守る用途では扱いやすい。
半日以上の停電を想定するなら、1000Wh級以上を別記事で検討したほうがよい。ここまで来ると、冷蔵庫、扇風機、調理、家族全員のスマホ、在宅避難まで入る。リビングに置く重量、充電場所、保管温度、リコール情報、廃棄方法まで見る必要がある。仕事机のUPSとはジャンルが違う。
| 想定する停電 | 優先する機器 | 向く構成 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1秒から数分の瞬断 | ルーター、ONU、Hub | 500VAから750VA級UPS | 会議の切断とHubオフラインを防ぐ |
| 30分から2時間 | 通信、スマホ、ノートPC | UPS + 300Wh級ポータブル電源 | 仕事継続か安全終了かを決める |
| 半日 | 通信、照明、スマホ複数台、冷蔵庫短時間 | 700Whから1000Wh級 | 冷蔵庫は扉の開閉と起動電力に左右される |
| 一日以上 | 在宅避難全体 | 大容量電源または家庭用蓄電池 | マンションでは重量と置き場所が課題 |
在宅勤務で一番多い不満は「会議中の瞬断」と「復旧後にWi-Fiが戻らない」だ。この二つは、1000Wh級を買うより、ルーター横のUPSと配線整理で改善しやすい。大容量を買う前に、まず落ちて困った機器を一晩だけ書き出す。家族が困った順番で並べると、買うべき容量より先に守るべき電源が見える。
ルーターとHubはUPSで守る

ルーター用のUPSは、冷蔵庫や電子レンジを動かす製品ではない。低消費電力の通信機器を落とさないための小さな保険だ。ONU、Wi-Fiルーター、メッシュ親機、SwitchBot Hub 3、Nature Remo、Aqara Hubなどを合計して20Wから50W程度に収まるなら、家庭用UPSで十分に意味がある。
選ぶときは、出力W、コンセント数、波形、警告音、置き方を見る。通信機器だけなら疑似正弦波でも動くことは多いが、NASや小型PC、音響機器までつなぐなら純粋正弦波モデルを候補に入れたい。ACアダプターが大きい家では、6口あっても隣をふさいで実質3口になることがある。販売ページの価格より、実際に挿せる口数が大事だ。
| UPS候補 | 公式仕様で見る要点 | 向く家 |
|---|---|---|
| CyberPower CPJ500 | 500VA/300W、純粋正弦波、NEMA 5-15R x 6、半負荷時11.3分 | ルーター、ONU、Hub、NAS小規模構成 |
| オムロン BW55T | 550VA/340W、バックアップ時正弦波、切替時間10ms以内、出力4個 | 保証、管理、正弦波を重視する家 |
| APC ES 750 BE750M2-JP | 750VA/450W、常時商用給電方式、サージ保護、3年保証 | タップ型でテレビ台や情報盤に置きたい家 |
正弦波と小型を両立したいなら、CyberPower CPJ500をまず見る価値がある。ルーター、ONU、Hub、NASの小規模構成に寄せやすく、通信の瞬断対策として扱いやすい。
オムロンBW55Tは、正弦波と国内向けサポートの分かりやすさを重視したい人向けだ。NASや小型PCまで含めるなら、安さだけでなく波形と管理ソフトの考え方まで見たい。
テレビ台や情報盤まわりに置きやすいタップ型を見たいなら、APC ES 750も比較に入る。USB充電口やコンセント数を含め、通信機器の密集地に置きやすいかを実物の配線で考えたい。
UPSを買ったら、最初にやるのは停電テストだ。仕事中ではなく、家族が起きている時間に、UPSの入力プラグを一度抜く。Wi-Fiが切れないか、Hubがオンラインのままか、警告音がうるさくないか、復帰後にどの機器が再起動するかを見る。ここで嫌な音や熱、配線の危なさに気づけるなら、本番の停電で慌てずに済む。
メッシュWi-Fiは停電前の弱点も潰す

停電対策で見落とされるのが、普段のWi-Fiの弱さだ。復電後にルーターは戻っているのに、寝室のHubだけオフライン、玄関のカメラだけ再接続しない、仕事部屋のメッシュ子機が弱くて会議が不安定。これは停電というより、もともとの通信設計の弱さが復旧時に表に出ている。
スマートホーム機器の多くは2.4GHz帯を使う。壁や扉、電子レンジ、近隣Wi-Fiの影響を受けやすく、古いルーターでは接続台数も足りない。SwitchBot Hub、スマート電球、カメラ、ロボット掃除機、スマートスピーカー、家族のスマホ、PC、タブレットが同じルーターへぶら下がると、停電がなくても再接続で詰まりやすい。
スマートホーム向けWi-Fiルーターでも整理しているが、2LDK以上、戸建て、RC造マンションではメッシュWi-Fiを先に入れたほうが体感改善が大きいことがある。停電後に復旧する順番は、親ルーター、メッシュ子機、Hub、カメラ、スマート家電の順になりやすい。親機だけUPSで守っても、子機の電源が落ちれば奥の部屋の機器は一度切れる。この場合は、重要なHubを親機近くへ寄せるか、子機も守るかを決める。
| 家の状態 | Wi-Fi側の対策 | 電源側の対策 |
|---|---|---|
| 仕事部屋だけ電波が弱い | メッシュ子機を仕事部屋の手前に置く | 親機をUPS、子機は復旧順を確認 |
| スマートホーム機器が30台以上 | IoT用SSIDやメッシュを作る | Hubと親機を同じUPSへ集める |
| 玄関カメラだけ復旧が遅い | 玄関近くの電波強度を測る | カメラ電源よりルーター親機を優先 |
| 戸建て2階の会議が不安定 | 有線バックホールかトライバンドを検討 | 仕事机の機器は別電源で守る |
メッシュWi-Fiを買うなら、通信の強さだけでなく、IoT機器の分離、2.4GHz専用SSID、有線バックホール、アプリの管理しやすさを見る。TP-Link Deco XE75は、Wi-Fi 6Eのトライバンドで、既存記事でもスマートホーム用途のバランス機として扱っている。Wi-Fi 7までいらないが、古い1台ルーターから脱したい家には現実的だ。
停電がなくても夜だけHubや防犯カメラが落ちる家は、電源より先にWi-Fi設計が詰まっていることがある。スマートホームWi-Fiが切れる家の直し方で、2.4GHz専用SSID、メッシュ子機の置き場所、Hubの位置を先に切り分けておくと、UPSを買った後の「一部だけ戻らない」を減らしやすい。

メッシュを入れても、停電時に全部が守られるわけではない。むしろノードが増えるほど、守る電源が増える。親機をUPSへ入れ、子機は復電後に自動で戻るかを確認する。重要なHubやカメラは、メッシュ子機の奥ではなく親機に近い場所へ寄せる。この地味な配置変更が、停電後の「なぜか一部だけオフライン」を減らす。
ノートPCと照明まで見るなら小型ポータブル電源

UPSは常時接続の瞬断対策に強い。一方で、停電が1時間を超えると、スマホ充電、LED照明、ノートPC、タブレット、USB-Cドックまで見たくなる。ここで小型ポータブル電源が候補になる。
在宅勤務で見るべきなのは、容量Whと定格出力Wの両方だ。ノートPCのUSB-C充電器は45Wから100W級、外付けモニターは20Wから40W級、ルーター一式は20Wから40W級、小型LED照明は5Wから10W級が目安になる。合計100Wを超える構成で数時間動かすなら、300Wh級では余裕が少ない。逆に、ノートPCは内蔵バッテリーに任せ、ルーターとスマホと照明だけなら300Wh級でもかなり現実的だ。
| 使い方 | 合計Wの目安 | 286Wh級で見る現実ライン |
|---|---|---|
| ルーター + Hub + スマホ充電 | 20から40W | 数時間から半日近く |
| ルーター + ノートPC充電 | 60から110W | 会議数本分の橋渡し |
| ノートPC + モニター + ルーター | 90から150W | 長時間継続より安全終了向き |
| LED照明 + スマホ複数台 | 10から30W | 夜の情報収集には十分 |
EcoFlow RIVER 3 Plusは、公式ページで286Wh、600W出力の小型ポータブル電源として案内されている。通信と仕事机を数時間支える道具としては扱いやすい。冷蔵庫や電子レンジを長く動かす機器ではなく、在宅勤務の「回線とPCを落とさない数時間」を作る候補だ。
小型ポータブル電源を仕事机へ置くなら、床置きの安全も見る。足で蹴らない場所、通気をふさがない場所、飲み物をこぼさない場所、ケーブルを引っかけない場所。停電時だけ出すなら、防災棚に本体、USB-Cケーブル、延長コード、LEDライト、取扱説明書を同じ箱へ入れる。電源だけあってケーブルがない、という失敗は本当に多い。
ポータブル電源のUPS/EPS機能は便利ですが、常時接続の可否、切替時間、対応負荷、バッテリー保護の条件は製品ごとに違います。ルーターを24時間つなぎっぱなしにする場合は、取扱説明書と公式ページの注意書きを確認してください。
スマートホームの復旧順は紙に残す

停電対策は、電気が落ちている間だけの話ではない。実際にストレスが出るのは復電後だ。Wi-Fiは戻ったのにHubがオフライン、カメラは戻ったのに通知が来ない、スマートロックは動くが履歴が残らない、家族がルーターの電源を何度も抜き差しする。ここを決めていない家は、復旧に時間がかかる。
復旧順は紙に書いておく。スマホのメモだけでは、ネットが落ちていると開けないことがある。ルーター、ONU、メッシュ親機、メッシュ子機、SwitchBot Hub、カメラ、スマートスピーカーの順番を家族が読める場所へ置く。触ってよいコンセントにラベルを貼り、触らない電源は触らないと書く。これだけで混乱はかなり減る。
| 復旧順 | 確認するもの | うまく戻らない時 |
|---|---|---|
| 1 | ONU、ホームゲートウェイ | 電源ランプと光回線ランプを確認 |
| 2 | Wi-Fiルーター、メッシュ親機 | 5分待ってからアプリで接続状態を見る |
| 3 | メッシュ子機 | 親機に近い順にオンラインを確認 |
| 4 | SwitchBot HubやNature Remo | 2.4GHz SSIDへ再接続しているかを見る |
| 5 | カメラ、スマートロック通知 | 本体電池とクラウド通知を分けて確認 |
SwitchBot Hub 3を使っている家は、Hubをルーターの近くへ寄せると復旧が安定しやすい。赤外線リモコンとして家電に届く場所と、Wi-Fiが安定する場所のバランスが必要だ。エアコンやテレビの操作範囲だけで置き場所を決めると、停電後の再接続で弱い場所に置いてしまうことがある。

スマートロックは、停電中も本体電池で解錠できる構成が多い。ただし、外出先からの施錠確認や通知は、ルーターとHubが落ちれば届かない。スマートロック選び方比較ガイドでも書いている通り、物理鍵の保管場所と家族の開け方は別に決めておく。電源対策で物理バックアップを消してはいけない。
家族が使える配線にする

UPSやポータブル電源の失敗は、スペック不足より配線で起きることが多い。ルーター裏のタップがタコ足になっている。ACアダプターが大きくて半分しか挿せない。床に置いた電源を掃除機で引っかける。情報盤の中に押し込んで熱がこもる。停電時に急いで触る道具ほど、平時の配線をきれいにしておく必要がある。
家族が使える配線にするには、ケーブルを減らすより役割を見えるようにする。UPSのバックアップ側には停電時に必要な機器だけを挿す。サージ保護だけの口がある場合は、そこに停電時不要の機器を挿す。ルーター、ONU、Hubの電源アダプターにはラベルを貼る。延長コードを足す場合は、許容電力とメーカーの注意書きを確認し、安いタップを多段接続しない。
| ありがちな配線 | 起きる問題 | 直し方 |
|---|---|---|
| UPSの全口に何でも挿す | 停電時の負荷が増え、時間が短くなる | バックアップ口は通信機器だけに絞る |
| 情報盤へUPSを押し込む | 熱がこもり、バッテリー寿命に不利 | 通気できる棚やテレビ台へ出す |
| ケーブルが床を横切る | 家族が引っかけ、停電時に抜ける | 壁沿い、短いケーブル、結束で整理 |
| ラベルなし | 誰かが違う電源を抜く | 触る順番と機器名を紙で貼る |
ポータブル電源は、保管場所も大事だ。直射日光、夏の車内、湿気の多い玄関収納、キッチンの蒸気が当たる場所は避ける。大容量のリチウム系電源を家に置くなら、取扱説明書、保証、回収方法、リコール情報も同じフォルダに入れておく。災害時に箱を開けて初めて使うのではなく、月に一度だけ充電残量と出力ボタンを確認する。
電子レンジ、電気ケトル、ドライヤー、電気ヒーターは短時間でも大きな電力を使います。ルーター用UPSや小型ポータブル電源に、通信機器と高出力家電を同時につなぐ運用は避けてください。停電中の調理や暖房は、別の防災計画として分けます。
買わない条件とやらない運用

在宅勤務の停電対策は、買うものより「やらないこと」を決めたほうが失敗しにくい。全部を守ろうとしない。高出力家電をつながない。医療機器を自己判断でつながない。中古や出所の分からない大容量電源に飛びつかない。スマートプラグで発熱家電を遠隔ONしない。この線引きができる家ほど、電源対策は長く使える。
買わない条件も明確にしておきたい。ルーターを数十分守れればよいだけなら、いきなり1000Wh級を買わなくていい。仕事机に置く場所がないなら、ファン音のある大きなポータブル電源はストレスになる。情報盤に入らないUPSを買うなら、先に設置棚を作る。商品の良し悪しではなく、自宅の動線に合わない機器は落とす。
| 買わない条件 | 理由 |
|---|---|
| 守る機器を決めずに大容量だけで選ぶ | 重く、使わず、放電したままになりやすい |
| ルーター横に置けないUPS | 常時接続できず、瞬断対策にならない |
| 警告音やファン音を確認しない | 夜の停電や会議中に家族のストレスになる |
| 正規販売元や保証が不明 | リコール、修理、回収で困る |
| 消費電力を一度も測らない | 必要容量を過大または過小に見積もる |
やらない運用として、ルーターの電源をスマートプラグで雑に再起動するのも慎重にしたい。遠隔で再起動できると便利に見えるが、ルーターが落ちればそのスマートプラグを操作する通信も失う。再起動ボタンを押す用途ならSwitchBotボット活用ガイドのような方法もあるが、ネットワーク機器はまずファームウェア更新、設置場所、メッシュ化、UPSで安定させるのが先だ。
よくある質問

ルーターだけならポータブル電源よりUPSがよいですか
短い瞬断や数十分の停電が主な悩みなら、UPSのほうが扱いやすいです。ルーター、ONU、Hubを常時つないでおき、停電時に切り替えを意識しなくて済むからです。数時間以上の停電でスマホやノートPCまで充電したいなら、小型ポータブル電源を別に用意すると役割が分かれます。
ノートPCはUPSにつなぐべきですか
ノートPCは内蔵バッテリーがあるため、最優先は固定回線です。会議中に困るのはPCよりWi-Fiが落ちることが多いです。外付けモニターやUSB-Cドックまで守りたい場合は、仕事机用にポータブル電源を置く構成を検討します。デスクトップPCやNASは、専用UPSと安全なシャットダウン設定を見たほうがよいです。
メッシュWi-Fi子機もUPSにつなぐ必要がありますか
家によります。重要なHubや仕事部屋が親機の電波だけで十分届くなら、親機だけUPSで守っても効果があります。子機が落ちると仕事部屋や玄関カメラが切れる家では、子機を守るか、重要機器を親機側へ寄せる必要があります。全部をUPS化する前に、停電テストでどの部屋が落ちるか確認してください。
SwitchBot Hubが落ちるとスマートロックは開かなくなりますか
多くのスマートロックは本体電池で動き、物理鍵や近距離操作を残しています。ただし、外出先からの施錠確認、通知、クラウド連携、自動化はルーターとHubの状態に左右されます。電源対策をしても、物理鍵の保管場所と家族の開け方は必ず別に決めてください。
ポータブル電源をルーターに常時つないでよいですか
製品ごとの条件を確認してください。UPS/EPS機能をうたう製品でも、常時接続、切替時間、対応負荷、バッテリー保護、ファン音、発熱の条件が違います。ルーター専用で24時間使うなら、家庭用UPSのほうが自然な場合もあります。
在宅勤務なら何Whあれば安心ですか
守る機器によります。ルーターとHubだけなら合計20Wから40W程度の家が多く、UPSまたは300Wh級でも十分に意味があります。ノートPC、外付けモニター、照明まで数時間使うなら、合計Wを測ってから決めます。冷蔵庫や調理家電まで見るなら、1000Wh級以上を別の防災計画として考えてください。
停電テストはどのくらいの頻度でやるべきですか
最低でも月に一度、短いテストをおすすめします。UPSの入力を抜き、ルーター、Hub、メッシュ、カメラ、PCがどう動くかを確認します。警告音、発熱、ケーブルの抜け、家族が触る場所も同時に見ます。停電当日に初めて試すと、出力ボタンの押し忘れやケーブル不足に気づきにくいです。
最後は機器名より、落としたくない時間を決める

在宅勤務のネット停電対策は、家電のスペック比較より生活の順番で決める。Web会議を切らしたくない。家族の連絡を残したい。スマートロックや防犯カメラの通知を止めたくない。ノートPCの作業を保存してから終わりたい。夜にスマホと小さな照明だけ残したい。ここが決まれば、UPSで足りるのか、小型ポータブル電源を足すのか、メッシュWi-Fiを先に直すのかが見えてくる。
最初の一手は、ルーター周りの消費電力を測り、ONU、ルーター、Hubを同じ場所へ寄せることだ。次に、UPSで短い瞬断を吸収する。仕事机まで守りたいなら、ノートPC、モニター、照明を別の小型ポータブル電源で見る。最後に、復電後の順番を紙に書き、家族が触ってよい電源をラベルで示す。
| 家の悩み | 最初に見る記事 | 次に買う候補 |
|---|---|---|
| 会議中にWi-Fiが落ちる | 家庭用UPSでルーター停電対策 | 500VAから750VA級UPS |
| 台風停電で通信と照明を残したい | マンション停電に強いポータブル電源 | 300Whから1000Wh級 |
| 部屋によってスマートホームが不安定 | スマートホーム向けWi-Fiルーター | メッシュWi-Fi |
| 在宅勤務の環境そのものを整えたい | SwitchBotテレワーク活用ガイド | Hub、照明、温湿度計 |
買う前に一枚の紙へ、落としたくない機器、消費電力、守りたい時間、置き場所、家族の復旧手順を書く。ここまでできれば、商品ページのセール表示に引っ張られにくい。停電対策は、強い電源を買うことではなく、止まったときに家族が迷わない状態を作ることだ。
参考にした公式情報
- CyberPower「CPJ500」: https://www.cyberpower.com/jp/ja/product/sku/cpj500
- オムロン ソーシアルソリューションズ「BW40T/BW55T/BW100T/BW120T」: https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/ups/product/bw40-120t/
- Schneider Electric「APC ES 750 BE750M2-JP」: https://www.se.com/jp/ja/product/BE750M2-JP/
- EcoFlow「RIVER 3 Plus」: https://jp.ecoflow.com/products/river-3-plus-portable-power-station
- TP-Link「Deco XE75」: https://www.tp-link.com/jp/deco-mesh-wifi/product-family/deco-xe75/
- SwitchBot「Hub 3」: https://www.switchbot.jp/products/switchbot-hub3

